Back/Index/Next
Original Novel AOi-K Presents



FREE'ER


1st



退屈だった。
流されるこの日々が退屈だった。

憂鬱だった。
流されるこの日々が憂鬱だった。

こんな筈ではなかった。

逆に高校時代は充実していた。
集中していないとついていけない授業を聞き、日々ノートを取り、
定期試験では常に上位を取っていた。

美術部に所属し、日々絵を描いていた。
賞には興味がなかった。
ただ感性が要求していた。

感性のためにやっていたことは進学には大きく役に立った。
3年生になったときはすでに教師が大学推薦の話を進めていた。
もちろん私は喜んだ。
大学ではもっと充実した日々が送れる。


しばらくして私は一流と呼ばれる私立大学に無事入学できた。

だが、待っていたのは充実ではなく空虚だった。

何かが違う・・・
物足りない・・・


そうした中、大学生活9ヶ月目。
私はあるものに興味を持った。

同じゼミの神埼葵。

有名私立大学に限らず、大学生の人物像は大きく2つに分かれる。
授業そっちのけで遊びまわるもの。
就職のために今から単位を取り逃すまいと勉強するもの。

しかし、彼はそのどちらにも当てはまらない。
いや、語弊があるかもしれない。
どちらにも当てはまり、どちらにも当てはまらないのだ。

ひょうひょうとしている外見の割に授業は出ているし(少なくともゼミは)、
遊び回っている姿も多々見たことがある。


そこで失礼かもしれないが、しばらく彼を観察してみることにした。

第一歩としてまずゼミのレポートを見せてもらった。
題名は「運輸状況の実態と問題点」。
こ難しい題で、それこそ図書館にでも行かなければわからない事だった。
しかし、彼のレポートは実に簡潔に、実に内容の濃いものだった。
どうやって調べたかと聞くと、彼は「勘」とだけ答えた。

ますます彼のことがわからなくなった。
そして同時に、興味が湧いてきた。

しばらくは退屈しなくて済みそうである。

そんな中、一通の郵便物が届いた。
中身を見て私はうきうきした。
これでまた、しばらく退屈しなくて済みそうだ。

翌日、歴史学の授業にて・・・
相変わらず彼はひょうひょうとしていた。

「暇そうだね、葵――」


――続く



Back/Top/Next