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Leaf Comic Party short story



こみパぶち壊し劇場


〜瑞希の場合〜

by 五穀豊穣



 …公園を抜ける、春先の夜風が火照った身体に心地よかった。
 俺はお互いの体液で汚れた瑞希の身体をティッシュで拭いてやり、さすがに公園にそれを捨てていくのは恥ずかしいので、家で捨てようとポケットに入れた。
 この日、俺は二つのものを手に入れた。
 編集長からの電話があったのはほんの2時間ほど前で、そして今俺の腕の中には、何よりも━━━自分よりも大切な存在、瑞希がいる。
 これからはずっと一緒にいよう、と言うと瑞希は目を潤ませて涙ぐんだ。
 …こいつがこんなにおセンチなヤツだったなんてな。そんな一面を愛しく思いながら俺は涙を拭ってやろうと、ポケットからティッシュを取り出した。
「━━━泣くなって」
 と優しく、そっと瑞希の涙を拭う━━━ヌチョ…
 …ん? …ヌチョ……?
 湿っぽい感触に俺は思い出した。…先ほど瑞希の身体を拭いたティッシュのことを……。
「……和樹…」
 その恐ろしいほどに穏和な声におそるおそる振り向くと、にっこりと瑞希が微笑っていた。
「━━━さようなら」
 
 
 ……そして俺はすべてを失った。(BAD END/(笑)     

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