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Desire Short Story



世界迷作劇場


「マッチ売りのティーナ」第2章

by 破神 戦



路地裏はちょうど表通りから死角になっていて、薄暗くなっていました。
「ねぇ。サービスって何をするの?」
とティーナが再び聞くと。
「それより、何だその籠は?」
「マッチだよ。意地悪なマコトが売ってこいって。私が若くて可愛いのをひがんでるんだわ。」
ティーナは可愛い頬を膨らませ、そう答えました。
「・・・なるほど。」
そう言うとカイルはニヤリと笑い、さらに血走った眼でこう言いました。
「売っているのは、本当にマッチだけか?本当は違うんだろ・・・?」
「?」
ティーナは、カイルが何を言っているのか分からず、首を傾げました。
「まあいい。それじゃあ、とりあえず口で・・・・」
なんてとんでもない事を言う男なんでしょう。
雪玉投げちゃえ。エイッ。
ゴン!!!!
「うわぁーーーーー!なっ、何だどこから雪玉が?」
「しかも、石が入ってて、ガチガチに固めてあるじゃねぇか。」
カイルはあたりを見回しましたが、誰も見あたりませんでした。
「??」

「・・・、まあいい。口は止めだ。よし、服を脱げ。今着ているシャツの前を開けろ。」
「えぇ〜〜! そんなことしたら寒いよ。風邪ひいちゃうよ〜。」
「うるさい! マッチを交換しないぞ!!」
と、カイルはティーナを脅しました。
「はぁ〜〜〜い。」
ティーナはそう答えると、しぶしぶシャツに手をかけ、ボタンを外しました。

ティーナがシャツの前を開くと、膨らみかけた胸と柔らかそうなおなか、そして、温かそうな白いパンツがあらわになりました。
「ぐふふふふふ。なかなかいい体をしてるじゃないか。」
とカイルはティーナを嘗め回すように見つめながら言いました。
「んっ、そのパンツも脱げ。脱がないとマッチは交換しないぞ。」
「えぇ〜〜〜!! ・・・・・そうだ、おじさんが脱がしてよ。」
「なに、俺が・・・・・・。よし、いいだろう。特別サービスだ。」
とイヤラシイ笑みを浮かべながら、カイルはしゃがみこみました。
「おじさんはね。おじさんはね。・・・。」
まさにスケベ中年親父と化したカイルの手がいよいよティーナのパンツに・・・!
「えいっ!!」
ドコッ。
ティーナはカイルの頭に、思い切りブラックジャックを振り下ろしました。
ティーナはブラックジャックを籠に戻し、そして服装を整えると、気絶したカイルの服を物色し、見事マッチを手に入れました。

ティーナはカイルをそのままにして、表通りに戻ってきました。
「さぁって、これで準備はOK。やっと続きが出来るの〜♪」
ティーナはカイルから奪ったマッチにさっそく、火を灯しました。
そして、火を覗き込むと、どこかの海辺で寝そべり、トロピカルドリンクを飲むカズミの姿が見えました。
「いいなぁ〜。」
しばらくすると、フッ、っとマッチが消えてしまいました。
「あっ!? しょうがない、もう1度。」
そう言って、再びマッチに火をつけ、覗き込むと、今度は暖かそうな部屋で美味しそうな七面鳥料理を頬張っているカズミの姿が・・・。
ぐぅぅ〜。
思わずティーナのおなかが鳴ってしまいました。
「いいなぁ〜。そういえば、晩御飯まだだなぁ。おなか空いた〜〜。」
ティーナがそう思っているうちに、また、マッチは消えてしまいました。
「ああっ!? 七面鳥が!! もう1度つけなきゃ。」
そう言って、ティーナがマッチ箱を開けると
「ああっ!! マッ、マッチが後1本しかない!?」
そうです、貧乏くさい事にマッチ箱にはマッチが後1本しかなかったのです。
「どうしよう。でも・・・・。」
ティーナは少し悩んだ後、結局火をつける事にしました。
そうすると、厚着をし、幾つものストーブをつけ、こたつにあたりながら、鍋焼きうどん、すき焼き、お餅を食べるカズミの姿が・・・。
「いいなぁ〜〜。あれっ、なんだかティーナも体が暖かくなってきちゃった。」
「それになんだか眠い。どうしたのかな?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・

雪はますます強くなり、表通りを白く染め上げていきました。
そして、そこには消えたマッチを持ったティーナが倒れていました。
ティーナは何か楽しい夢でも見ているのか、とても嬉しそうに微笑んでいました。
雪はそんなティーナの上にも舞い落ち、その体を少しずつ白く覆っていきました。

その夜、一つの魂が天使達に導かれ、天界へと昇って行きました。



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