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Desire Short Story



世界迷作劇場


「マッチ売りのティーナ」最終章

by 破神 戦



「はぁはぁはぁ。」
雪に覆われた早朝の街を一人の男が走っていました。
男の名はアルバート。
嫌な予感に突き動かされた彼は、ある少女に会う為に走っていました。

「ティーーーナーー! ティーーーナーー!!、いないのかーーー!?」
アルバートは表通りに着くやいなや、そう叫びました。
・・・・・・・・・。
「いない。家に帰ったのか? まさか、一晩中・・・・。」
アルバートはそうつぶやきながら、どこかにティーナの姿が見えないかとあたりを見まわしました。
「・・・・んっ、何だ?」
アルバートが目を止めた先の裏路地には、ドクター・ゲーツ達が集まっていました。
「まさか? ティーナ!?」
アルバートは、ドクター・ゲーツ達のところへ駆け寄りました。

「どうしたんですか?」
「ふん。」
「あのぅ。」
「うるさい。」 ドクター・ゲーツ達は誰もアルバートの相手をしてはくれませんでした。
「困ったな。クソッ」
「どうしたんですか? アルバートさん。」
通りかかった可愛らしい女性が、アルバートに声をかけました。
「あっ、エレナさん。実は、このドクター・ゲーツ達はどうしたのかと思いまして。」
「そうなんですか。ちょっと、待ってて下さい。」
そう言うと、エレナはドクター・ゲーツ達の方へ。

「どうでした?」
「何でも、男の人が行き倒れになったらしく、昨夜の大雪で・・・・。」
「男・・ですか? その、女の子じゃなく?」
「ええ、それが何か?」
「いえ。それよりもわざわざスミマセン。それじゃあ、俺はこれで・・・。」
そう言うとアルバートは、再び表通りに戻りました。

「ティーナ、無事なのか? どこにいるんだ? きっと俺が見つけてやる。」
「待ってろよ、ティーナ!」
アルバートがそう言うと、突然、目の前の雪が盛り上がり襲ってきました。
「うわぁーーーーーー!!」
ポムッ。
「アルーーー。会いたかった。会いたかったよ〜。アル〜〜。」
と、雪の化け物、もとい、ティーナは、アルバートに抱き着きながら言いました。
「ティーナ!? 無事だったのか? 良かった。」
「? どうしたの、アル。なんかあったの?」
「いや。それよりも雪に埋もれていて、大丈夫だったのか? 普通、凍死するぞ。」
「えぇ〜、なんで〜? 雪の中の方があったかいよ。かまくらとかそうじゃない。」
「いや、あれは・・・・・。まあいいや。」
「あっ、それより、アル〜。マッチ買って、マッチ。」
「いい〜!? いや、それは。」
「また今度買ってくれるって言ったじゃない。」
そう言うと、ティーナは瞳を潤ませました。
「ううっ、分かった、分かったよ、ティーナ。残り全部買うよ。」
(せっかく苦労して前借りした来月の小遣いが)
アルバートはそう考えると泣きたくなってくるのでした。
「わーーーーい♪ ありがとう、アル。だーーい好き♪♪」

アルバートから、マッチの代金を受け取ったティーナは、前のお金と合わせると、
「ねえ、アル。これからちょっといい?」
とアルバートに尋ねました。
「暇だけど・・・。どうするんだ?」
「このお金で七面鳥を食べに行くの。だっておなかぺこぺこなんだもん。」
「・・・・・・まあ、いいか。」
こうしてティーナとアルバートは七面鳥を食べに行きました。

教訓「マズイ晩飯より、七面鳥♪」by ティーナ

マコト「何じゃそりゃーーーーーーーーーー!!」

FIN.



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