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Tactics ONE Short Story



浩平を起こそう!


by 道化師




【茜の場合】


「…起きてください」
ん、んん。茜か。
「まだ眠いんだよ……。もちっとだけ寝させてくれよ」
「三分だけです」
三分後。
「…起きてください」
「う、うーん、茜ぇ、キスしてくれたら起きる」
「絶対いやです」
そ、そんな…。
「じゃあ、起きないぞぉ。眠っちまうぞ」
「…先、行きます」
そうして茜は一人で出て行った。

起こしてないじゃん。




【澪の場合】

ゆさゆさ。
ぐらぐら。ゆさゆさ。
ん、うーん。なんだ、なんか揺さぶられて…。
ばんっ。
「ぐあっ」
なんか顔がたたかれたぞ。
目を開けると澪がスケッチブックでたたこうとしていた。
「ま、待て澪!起きるから」
うんっ。
にっこりと微笑むのはいいんだが、たたくのはやめて欲しい……。
毎日やられたら、顔の形が変わってしまう。
ばんっ。
「ぐおっ」
『早くするの』
そう書かれたスケッチブックを再びふりかざす。
こ、このままじゃ、頭がもたない。

助けて。




【繭の場合】

「みゅーっ、みゅーっ」
「んん……、繭か。どうした…?」
「みゅー」
うれしそうにオレによってくる。
…そしてゆっくりとふとんの中に入ってくる。
え?
「ま、まずいだろ!それは!」
オレが慌てて飛び起きると、
「くー」
繭がオレのふとんで気持ちよさそうに眠りに入る。
「おーい、繭!寝るなぁっ」
「くー」
「くー、じゃないっ。起きろぉっ」

オレが起こしてどうするんだよ…。




【留美の場合】

くかー。
ばんっ。
「ぐおっ」
目覚めはいきなりの激痛。は、腹のあたりが重い。
「こらぁっ、早く起きろぉっ」
「な、七瀬かよ…何しやがる」
「ほら、早く起きなさいよ、さっさと行きたいんだから」
「だからってなあ、いきなりかばん投げるか、普通?」
「あんたが起きないからでしょ」
「あれ…?というか、七瀬はもっとやさしく起こしてくれるはずじゃ…?」
「それはあたしのフラグが立ってる場合でしょっ。今回は立ってないの!」

え、じゃあ……、オレは、この後どうなるんだよ……?




【みさきの場合】

ゆさゆさ。
「う、う〜ん」
「ほら、浩平君起きてよ」
「あ、先輩。もう朝か……」
「ううん。でも、もう起きなきゃ」
先輩の笑顔は眠気をふき飛ばすには十分なぐらい輝いていた。
気持ちいい目覚めだ。気分は爽快!
「よし、サンキュ、先輩」
「うん。よかったね」
「ああ、先輩に起こしてもらうのが一番かもな」
「これなら午後からの授業に間に合うよ」
「えっ……………?」
時計を見ると、一気に気分が落ち込んでいく。12時超えてる。
「……なんで?」
「だって浩平君の家遠いんだもん……」
「なんで、今頃?」
「昼休みだからだよ」
え?いや、だって…?そんな……。
「瑞佳ちゃんに連れてきてもらったんだよ」
長森に……?
「だって……私まだ、外の世界に出るの怖いから」

だったら、最初から言ってくれ…………。




【瑞佳の場合】

「ほら、起きなさいよーっ!」
「起きます……」
「あ、今日はちゃんと起きた」
「起きるさ」
「いつもこうだといいんだけど」
「ちゃんと起きるから見捨てないでくれよな」
「え、え……、ど、どうしたの浩平?」
「いろいろあったんだよ……」

やっぱり長森が一番なんだ。



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