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Kanon Another Story



あゆと花火




by 星羽 江流久



「わぁ〜っ、賑やかだね、祐一君っ☆ミ」
「賑やかじゃなきゃ祭りじゃないからな」
「うぐぅ…」
「拗ねるなって・・・ほら、あそこでたいやき買ってやるから」
「うぐぅ〜、たいやきっ♪」
たいやきで機嫌が直るところがあゆらしいな・・・

「すいません、たいやき2つ下さい」
「はいよっ、毎度あり〜」

「ほら、熱いうちに食えよ」
「うんっ!はぐはぐ・・・美味しい☆祐一君も早く食べようよっ」
「あぁ、そうだな」

ドドーーーーンっ!!(花火の音)

お、始まったな。
「きゃっ!」
「こら、しがみつくなって。たいやきが食えないだろ」
「だ、だって今大きな音が・・・」

ヒュルルルル〜〜・・・ドドーーーーン!!

「う、うぐぅ!祐一君、怖いよぉ〜(泣」
「あゆ、花火も知らないのか」
「花火くらい知ってるよ。これ花火の音なの?でも、今のは音が大きすぎるよ」
「あゆの言ってる花火ってのは、家の庭なんかでワイワイやるような小さなやつだろ」
「うん」
「今のはそれよりももっと大きくて、花火師達が空に打ち上げているんだ」
「へぇ〜…そうなんだぁ」
「だから怖がってないで、空見てみな」

ヒュルルルル〜〜・・・ドドーーーーン!!

「きゃっ!・・・うぐぅ〜、人がたくさんいるから空が見えないよ〜(泣」
空を見ようと一生懸命にぴょんぴょん飛び跳ねているあゆが微笑ましく思えた。
「おまえ、背小さいからなぁ〜」
「ほっといてよっ!ボクだって好きで背が小さいわけじゃないんだからね!」
「そら、そうだろうな…しょうがないなぁ、オレがあゆをおぶってやるから、ホラ」

「え、えっ!!そ、そんなの恥ずかしいよぉ〜・・・」
「オレはあゆの小さい胸が当たっても別に気にしないぞ」
「祐一君、それすっごく失礼なこと言ってるよ・・・」
「ホラ、早くしないと花火終わっちゃうぞ」
「・・・うぐぅ、わかった」

「わぁ〜空がよく見えるようになったよ〜☆ミ」
「だろ。それにしても、あゆ、おまえ結構重いな」
7年前の冬、あゆが転んで足を挫いてしまった時におぶってやったあの時よりも確実に重くなっていた。
おぶりながら、あゆも成長したんだなぁ…とそんなことを感じた。
「うぐぅ、それ女の子に対して言う言葉じゃないよぉ〜」
「痛ててて、こら人の頬つねるな!悪かったから・・・」

ヒュルルルル〜〜・・・ドドーーーーン!!

「きゃっ!うぐぅ〜…」
「く、苦しいから首にしがみつくなって!」
「あ、ごめん・・・」
「せっかく空が見えるようになったんだから怖がってないで空見てみな」
「うん・・・」

ヒュルルルル〜〜・・・ドドーーーーン!!

「わぁ〜・・・すっごく綺麗だよっ☆まるで空にお花が咲いたみたいだよぉ☆ミ」
「だろ、あれも花火なんだぞ」

ヒュルルルル〜〜・・・ドドーーーーン!!

「ほんとに綺麗だよ・・・今日はありがとう、祐一君」
「ん?あ、あぁ…」
「えへっ♪」
「こ、こらっ恥ずかしいから背中に抱きつくなって」
「いいのいいのっ♪」
「・・・まぁ、いいか」
今の雰囲気でなら、あゆのそういう行為も悪くはないと思った。
「来年もまた花火見に来ような」
「うんっ!」
あゆの満面な笑顔を見ながら俺は、こんな楽しい日々がずっと続いて欲しいと心から願った。



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