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Kanon Another Story



〜伝えること〜




by Sesiru




 栞へ…

こんな馬鹿な私を許してくれてありがとう
私は栞を否定し続けていたのに
いつも笑って いつも元気で

私は本当に姉として失格だと思う
栞を愛するがあまり
その存在を認める事が許せなかった

…苦しかった
…辛かった
…悲しかった

私はあの時ほど自分がこんなにも
弱かったなんて思わなかった
ううん 認めたく無かっただけかもしれない
認めてしまえば栞そのものまでもを
否定してしまいそうで…

栞への思いは沢山ある
伝えたい事も
思い出して欲しい事も
そして
忘れて欲しい事も…

ううん 忘れて欲しい事なんて無い
私は 私は
ただ栞に謝りたかった
今まで認めてあげられなくて
ごめんねって

心から謝りたかった

栞が許してくれるまで
私は謝りつづけたいと思う
それが私に出来る事だから

「ふうっ、何か緊張するわね」
「何がですか?」
「手紙を書くのが久しぶりだからよ」
「ふ〜ん」
「?? ………!!!」
「どうかしたんですか、お姉ちゃん?」
「し、栞っ! いつからそこに!」
「私はあの時ほど自分が……」
「読まなくていいわ!」
「そんなこと言う人、嫌いです」
「…栞」
「嘘です」
「……」
「そんな暗い顔しないでください」
「でも私は…」
「私は、何があってもお姉ちゃんはお姉ちゃんです」
「栞…」
「謝ってもらう必要なんて無いんですよ」
「それじゃぁ…」
「お姉ちゃんが謝る時があるとすればそれは…」
「それは…」
「私のアイスクリームを黙って食べた時だけです」
「ぐすっ」
「しかも最後の1個を食べたときだけですよ」
「うっ、うっ」
「泣く必要なんて無いんですよ、お姉ちゃん」
「うん……栞は」
「なんですか?」
「栞はつよいのね」
「そんなこと無いですよ」
「ううん、やっぱりつよいのよ」
「何か…祐一さんみたいです」
「どこが?」
「…何でもないです」
「…そう」
「…もし…私がつよいとしたらそれは…」
「それは?」
「祐一さんや名雪さん達のおかげですよ」
「……」
「もちろんお姉ちゃんもですよ」
「ありがとう 栞」

その後、私達は他愛も無い話題に花を咲かせた
名雪がまた授業中に寝ていて
それを相沢君が注意して
結局2人揃って怒られたり
…栞の方には友達が出来たみたいだった
今度一緒に遊びに行く約束もしたみたいだった

あの頃からは想像もつかなかった生活を送っている
…いや これが普通の生活なんだと思う
何気ない話をしたり
一緒にお弁当を食べたり
帰りに喫茶店に寄ったり

「…お姉ちゃん、どうしたんですか?」
「香里、ボーっとしてるとぶつかるぞ」
「…えっ、ああ、うん」
「熱でもあんじゃないのか?」
「お薬ならありますよ」
「遠慮しとくわ」
「そんなこと言う人、嫌いです」

栞が側にいてくれる
私にはそれだけで十分
相沢君に栞は取られたけど
家に帰ればいつでも会える

「何か、考え事か?」
「そうねぇ、もうすぐ義弟が出来るとなるとね」
「!!」
「…香里さ〜ん」
「色々と悩むのよ」
「お、お姉ちゃん!」
「ふふっ」
「…謀ったな」
「さぁ、何のことかしら」
「そんなこと言う人嫌いです!」
ダッ!

「待て、逃げるな、香里!」
「お姉ちゃ〜ん、祐一さ〜ん、待ってくださいよ〜」
「ふふふっ」

動き始めた私と
私の妹の時間

今度は止まることなく
動きつづけて欲しい

〜あとがき〜
どもSesiruです
早いものでもう七作目です
う〜ん、時が経つのは速いものだ

あっ、このSSで香里は決して栞LOVE(笑)
ではありませんのであしからず…
純粋な姉妹愛と捉えていただければ良いのですが

今までの作品に対するものでも構いませんので
感想待ってます


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