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Kanon Another Story



〜かけら〜




by Sesiru




記憶…思いでの壊れた少年
「2時間も待ってるからな…」
過去…7年間の空白を持つ少女
「うぐぅ! どいて!」

二人の出会いは
偶然の上に成り立った必然
「また、会えるといいね」

けれど
川を流れる紅葉の様に
二人の運命は翻弄されあう
「僕は…僕は…」

自分の記憶を求める少年
「見つかるといいな」
自分の探し物を求める少女
「見つかっちゃ、いけないものかも」

けれどそのどちらも二人にとっては
おもすぎた…
「「心が………痛い」」

欠け落ちた記憶の欠片を取り戻した少年
「あゆ、俺は…」
探し物を見つけ出し自分が何をしたいのか
思い出した少女
「祐一君、ぼくの事…」
二人の傷痕は深く、冷たかった
「俺は…」「ぼくは…」

夢から覚めた少女
「忘れてください」
現実を受け入れた少年
「本当に…それで…」

二人の運命の歯車が
静かに音を立て廻り始める
「いいのか…あゆ…」

音を立てて崩れて行く今までの現実
「………」
少女と過ごしたはずの少年の時間
「あゆ…」
それは過去に見た
「後ろ、向いてて」
あの時を
「赤くて、綺麗だよ」
思い出させる
「……あはは……」
泣きたいのに
「うん…」
泣けない
「…」

ただ、ただ
「あのね…」
目の前から消えたあの時の表情が
「ぼくは…」
忘れられなくて
「祐一君のことが…」
守れなくて、悔しくて
「好きだ…よ……」

目の前から少女が消えて
「ぉぃ……おいっ!」
始めて少年は
「…なんでだよ……」
涙を流した
「なんでだ、あゆーーっ!」

天使が空に舞った
「…なぁ」
真っ白な羽の天使が
「あゆ……」

少年は祈った
「俺も…」
そして信じた
「お前が好きだ」
天使の再臨を
「あゆ」

羽のない天使
「はぁっ、はぁっ…はぁっ」
少年は駆けていた
「やば…い…」

天使は降り立った
「遅いなぁ、うぐぅ」
その背中に羽はないが
「…髪の毛失敗しちゃったよ」
代わりに得たものがあった………

「悪い、あゆ」
「遅いよ、祐一君!」
「いやぁ、ちょっと名雪が寝坊して…」
「名雪さんのせいにしちゃ、駄目だよ」
「わかったよ。 ほら、行くぞ」
「うぐぅ、逃げたぁ」
「何の事だ? ほらほら」
「あっ、待ってよー」

少女の目に映る現実
少年の目に映る現実
確かめあうことの出来る
笑顔

今二人は自分達の足で
歩き始めた


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