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Original Novel
keita Presents



踊るきみ/踊るぼく


第二話

〜夏休み〜



特にする事も無く、宿題を片づけてた。
「ったく・・・あの担任は、こんなに宿題出してどうすんだよ・・・」
ぶつぶつ文句を言っても、宿題が片付くはずも無く・・・もう少しで全部終わりってところだった。
・・・ガチャ!!・・・
「・・・? だれだろ・・・?」
背後でドアの開く音がする。
それに続くいつもの声が・・・
「うんうん、やってるねー」
「・・・何しに来たんだよ・・・」
「あのね、いきなりそんなイヤそうな顔しないでも良いでしょ?」
「・・・『イヤそう』じゃなくてほんとにイヤなの。 どうせ宿題見せて〜とかでしょ?」
「・・・え〜っと・・・」
図星だな・・・
「うん、そうよ。いいじゃない。夏休みに友達の家へ〜なんて遊びのさそいか宿題写しぐらいしかないわよ!」
「・・・君だけじゃないの・・・?」
「ああ、もう〜男のくせに小さい事を・・・何でも良いから見せなさいよ・・・ってなんだ、ほとんどやってるじゃない。 うんうん、えらいえらい。」
「・・・だれかさんとは違うからね・・・君、ほとんど真っ白じゃない・・・」
「え〜、な〜に〜聞こえな〜い、ってことで写さしてね!」
結局、彼女は午前中たっぷり使って宿題を写した。
もちろん僕も手伝わされた・・・
「ふぅ〜、やっとこれで、全部終わりね・・・」
「やっと終わった・・・」
「・・・さ・て・と」
「ん・・・? まだ何かするつもりなの・・・?」
「うん、うん。 始めに言ったでしょ?宿題写しか、遊びのさそいって。 で、宿題の方は片付いたから、今度は遊びの方ね〜。ところで君、泳げる?」
「バカにしてるの・・・?」
「ううん、一応聞いただけ〜。 ま、どっちでもいいから、海行こっ、海へ!」
「どっちでもって・・・それにいきなり海へ行こって・・・うぁ・・・」
 
結局、彼女に無理矢理連れられて、行った海はクラゲがいっぱいで遊泳禁止だって・・・
「で、どうすんの・・・?」
「うん・・・どうしよっか・・・あはは・・・」
「とりあえず笑っとこって思ってるだろ・・・」
「あはは・・・ふぅ〜・・・」
あ、ちょっと沈んだ。
「君といっしょに海に行きたかっただけなんだけどな・・・」
「じゃ、今度はもっとちゃんと計画ぐらい立ててこようよ・・・」
「え・・? うん!そうしよっ!今、言ったよ! 絶対だからね!」
おや?こんなに喜ぶとは思わなかったな。よっぽど、海行きたかったんだ。
「じゃ、帰ろっか。」
「うん、帰ろっ!」
まあ、いろんな意味で楽しかったからいいかなぁ・・・
そんな事を思いながら、僕は彼女と家への電車に揺られていた・・・
 
『彼の場合』
また・・・あの子の夢・・・
僕の帽子が風に飛ばされて・・・
高い木に引っかかっちゃたんだ。
あの子が『とってきてやるっ』って言って木に登っていったんだ。
登って帽子を取るまでは良かったけど・・・
降りるときに足滑らしちゃった。
君はすりむいた手や血がにじんだ足なんか気にしないで、
僕に帽子を『ハイッ!』って渡してくれたね。
君は、今どこにいるのかな・・・
 
『彼女の場合』
はぁ〜、今日は失敗したな〜。 せっかく宿題写しを言い訳に君と海へ・・・って思ったのに〜まさか遊泳禁止だなんてね・・・はぁ・・・
ん、でも今度行こうねって言ってくれたから、まぁいいかな。
・・・それにしても、君ってほんとあの子にそっくりだね。
ちょっと、たよりなさそうな顔といい、なんか雰囲気といい
・・・まさか・・・ね・・・
 
≪つづく≫



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