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Original Novel
keita Presents



夏休み


第2話

第一ラウンド(前半戦)



「さて、なにしよっかな〜あ、なんかしたいことある?」
「えっと、じゃ僕ここら辺のことあんまりよく知らないから、案内してもらいたいな〜なんてのは…」
「却下よ、却下っ! は? 全くいい年した男の子がなに? ここら辺を見てまわりたい?
こんなとこ神社とか遺物旧跡くらいしかないわよ。 君、ほんと〜にそんなの見てまわりたいわけ?
いやーその年でもうお年寄り〜」
「そこまで言うか…」
「第一、そんなんじゃ私がちっとも楽しくないでしょ」
「そっちが本音か…んじゃ、君の方はなんかあるの?」
「うん、うん、よくぞ聞いてくれましたっ♪ それでは第一回王様ゲーム大会〜」
「は…?」
 
むやみに元気な娘だなぁ…テンション高いぞ。
意味なく立ちあがって…なんだろ?
ポーズでも決めてるつもりなのかな…?
そんな彼女をボーっと見てた。
そうしたら…
 
「なによ、ノリが悪いわねぇ…ま、ルールは簡単、君と私がある勝負をします。
それでー、んーどうしよっかな〜 あ、じゃ君が勝ったら私のこと何でも教えてあ〜げるっ♪」
「…ちなみに君が勝ったら…?」
「なんでも言うこと聞いてもらうに決まってるでしょ〜 王様ゲームよ、王様、王様!」
「えっと…どう考えてもこっちが損してるんですけど…」
「えーなんでーべつにいいじゃな〜い。あ、もしかして自分も王様がいいと思ってるんでしょ〜
それでなんでもやってやる〜とか、セクハラおやじみたいなことしようとしてるんだ〜
いやー、へんたーい、ケダモノー」
「…………」
「だいたい、君男の子でしょ。 なに? 女の子に負けちゃうの?
勝てばいいじゃない。勝てば。そしたら全然問題無しっ!
それだけで、かわいい女の子の住所・氏名・電話番号連絡先が聞き放題っ!お得、お得っ!」
「…まぁ、『かわいい女の子』の部分は置いといて…そこまで言われて引き下がったら男がすたる。
OKその条件飲んだ! ケチョンケチョンにしてやる! 言っとくけど手加減してやらないからなっ!」
「…置いとかれた部分が気になるけど…よしっ! よく言った、それでこそ男の子だ!
と、いうわけであの島まで泳いで競争! よ〜いスタート!!」
「あ! インチキ! こっちまだ座ってるんだぞ!!」
「油断大敵、ハンデ、ハンデ! じゃお先に〜」
 
…ジャボーーン…
 
ちっ、先に行かれたか、まぁ所詮女だ、体力的に男にはかなわないと見てのことだろう…
島まで…100メートル程あるかな?
さて、追いかけるか。
 
…ジャボーーン…
 
僕は泳いだ。ふん、そらもう少しで追いつく。…あれ? 離されちゃった…?
結構早いな、かといって手加減する気はないっ!!
 
…ジャバジャバジャバジャバジャバジャバジャバジャバ…
 
結局…負けちゃった。クソゥ、あのスタートが…
 
「プハッーーーやった〜勝った、勝った〜あ、今着いたの? 惜しかったね〜、もうちょっとだったのにね〜」
「…………」
「あ、まさかと思うけどいまさら『スタートが…』とか言ったりしないよね?」
「……(先に言うなっ!)」
「ん? 『グウの音も出ないほど完敗です』と、ほうほう、なるほど、うんうん、そうだね。
さて、約束通り言うこと聞いてもらいましょうか」
「…ちょっと…休まして…」
「…ほうほう、どうやら君は自分の立場が解ってないようですね〜、あ、まずは主従関係
はっきりさせましょうかっ♪ 私は王様、さて君は?」
 
人の前に仁王立ち。
にこにこ楽しそうに笑いながら彼女が言った言葉がこれで…
…つかれてるってーの…
 
「…………」
「ん? おや?聞こえませんね〜、ではもう一回、私は王様さて君は?」
「…………」
「返事も出来ない悪い子は休ませてあげないよっ♪」
 
そう言って、僕の手を引っ張ってくる。
…ゆっくり休ませてもくれないわけね、答えるまでは。
 
「…あなたさまの下僕でございます…」
「うん、うん、よくできました♪ 休んでよろしい」
「……ありがとうございます(クソォゥゥゥゥゥゥゥゥ)」
 
納得行かないことが僕の目の前に山積みだったけど、とりあえずしばし二人とも休むことにした…


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