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機動戦艦ナデシコ original story



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第4話 これからのこと

by FireWind




−− B・S2 −−

アキトはバラバラに向かってくる無人兵器のうち、真っ正面につっこむ。
高速で向かってくるBS2に、回避も攻撃も出来ず、4機ほどが破壊される。

そのまま飛ばしたあと、眼下に無人兵器を望む地点に位置する。

無人兵器はまっすぐBS2に向かってくる。
ある程度密集しているところを中心にカノン砲を発射。
次々と破壊されてゆく。

すると、学習でもしたのか幾つかの小集団に分かれ、多角的な攻撃を仕掛けてくる。
撃たれているが、慌てず騒がず小集団を確実に潰してゆく。

ある程度の被弾はしているが、たいていの弾は避けている。
それに装甲自体、ジョロやバッタ程度の攻撃では傷など付きはしない。
装甲以前にディストーションフィールドがあるが・・・・・・

そうやっているうちに、数が少なくなり、いつしか殲滅が完了してしまった。

「・・・・・ふむ、40点か」

アキトが呟く。
BS2の装備に頼った自分の戦闘結果に満足していないようだ。


−− ナデシコブリッジ −−

海上に出たナデシコ。
既にグラビティブラストの充填は完了している・・・・・・・が。

「艦長、グラビティブラスト、いつでも撃てます。どうしますか」

ルリが聞く。

「とりあえず現状維持。まぁ大丈夫だと思うけどね」

ユリカの応え。

ナデシコが海底ゲートを通って海中へゆき、ようやっと海上に出たとき、既に無人兵器は壊滅状態であった。

「あれほどのパイロットが存在したとは・・・・・・・」

ゴートの呟き。

「・・・・・・・・・・ほしいですねぇ、あの方」キラーンッ☆

プロスがメガネを妖しく光らせながら言う。

「被害報告、お願いできる?」
「はい。敵無人兵器、残数ゼロ。地球軍、被害甚大なれど、死者ゼロ。ナデシコ、被害ゼロです」

「何者なの、あのパイロットは・・・・・」

ムネタケの呟き。
このムネタケの言こそ地球軍・ナデシコメンバーの心中を如実に表しているものといえよう。

『無事発進したようだな』

BS2から通信が入る。

「はい。ご協力、感謝いたします」

『二度とろくでもない真似をさせないことだ。貴重なパイロットだったらな』

「えっ、それって・・・・・」

『では、さらばだ』

その言葉とともに、通信が切れる。

「BS2の周辺にボース粒子増大・・・・・消えました」
「消えちゃった・・・・・」

皆、呆然としている。



「それはそれとして、だ」

ゴートが沈黙を破る。

「艦長、ちょっと話を聞かせて貰おうか」
「えっ、えっ・・・・どうしてですか」
「はっはっは、艦長、遅刻の件ですよ。初出勤で遅刻とは、査定に響きますよ」

プロスが電卓を叩きながら陽気に言う。


「馬鹿ばっか」

ルリの呟き。





−− ユーチャリス −−

「ただいま、ラピス」
「アキト、おかえり」

ユーチャリスに帰還したアキト。
出迎えるため、ラピスが格納庫に来ていた。

そしてブリッジへと向かう。

普通戦闘後にはシャワーを浴びるのが通例なのだが、汗もかかなかったのでその必要はなかった。
復讐に燃え、北辰相手に戦ってきたアキトにとって無人兵器はただの雑魚でしかない。


珍しくラピスから話を振ってくる。

「アキト、あれがナデシコなの」
「ああ。あれがナデシコAだ。俺が昔乗っていた船・・・・過去の幸せの象徴だ・・・・」

ラピスがぎゅっと強くアキトの腕を掴む。

「大丈夫だ。ラピスを置いていったりはしない。俺の失ったものは二度と戻らないからな・・・」

アキトははじめはラピスに聞かせるように、最後は独り言のように呟く。




ブリッジに着く。

「ラピス、ダッシュ、これからのことを話しておく」
「うん」
『はい』

「今回過去に飛んだのはルリちゃんのジャンプ中の遺跡への干渉が原因だ。
戻る手段はボソンジャンプのみだが、もとの時代を正確にイメージングする事は出来ない」

二人(?)は黙って話を聞く。

「よってこの時代での補給線を確保しなければならないわけだが。
補給直後だったから資材はほぼ満杯まである。とはいえ、半年は持たないだろう。
だから・・・・・」

一度言葉を切る。

「だから、ネルガルと取引をして、物資補給を何とかしようと思う。
さいわい、現在のネルガルはボソンジャンプの研究に躍起になっている。
ここにA級ジャンパーの俺がいるのだから、協力してやればいいだろう。
それに、ナデシコC先行開発艦ユーチャリスのワンマンオペレーション艦としてのデータはアカツキ達にとって相当魅力的なはずだ」

「未来を知らせちゃっても良いの?」

ラピスの問い。

「良くはないが・・・・その辺り、やばい情報はダッシュに封印か削除して貰うしかないな。
それに、いまさらだしな」

『アカツキ会長が裏切った場合はどうしますか。もしくはそもそも契約を結んでくれないかも知れません』

オモイカネがウィンドウを開く。

「そうなったらもう潜伏しかないな。今の俺ならいくらでも仕事はある。
もし手を結ばないなどと言ったら・・・・ネルガル製の戦艦として大宣伝しながら海賊行為を働くと、脅す。
物資も補給できるし、手を払いのけた代償としては相応だろう。
元々ネルガルは俺の親父達の敵なんだからな。
もっとも言うだけでするつもりはない。
これは最終手段だし、これをされたらネルガルもおしまいだろうしな」

『そうですね』

「もしネルガルと手が組めたら、俺はナデシコに同乗する」
「!!」

ラピスがアキトを凝視する。

(どうして・・・・アキトは私と居るって・・・・)

思わず直接思念をおくるラピス。

「ナデシコにいることで約束に信頼性を持たせるのと・・・・・そうだな、ナデシコクルーの啓蒙とでもしておくか」

「アキト、私はどうすればいいの」

ラピスの問い。
一見普通、だが声が少し震えている。

「ダッシュ、全部任せても大丈夫か」
『戦闘時については、無人兵器がありますからアキトに連絡して到着を待つ位の余裕は作れます。
通常時については、まぁ暇ですがネットワークでも散歩してますよ。
ですから、ラピスを連れていってあげて下さい』

人を気遣うAI。
ダッシュもここまで成長したのか。

「ダッシュ、ありがとう・・・・・」

ラピスの礼。

「わかった。ラピス、一緒に行くか」
「行く。私はアキトと一つだから・・・・・」
「・・・・・その台詞、向こうでは言わないでくれよ(汗)」

こんなこと聞かれたら誤解を招くこと請け合いだ。





〜〜 続く 〜〜




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