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Wizardry The Curse of Ancient Emperor



極悪忍



Nobuyuki Morita Presents


 

――前夜祭――

 

城門に張り紙がはられてある。どうせロクなことじゃないだろう。ここんところ結構やばい事ばっかり続いてるしな。

…でも一応見るだけ見てみるか。

「すげぇな、おい」

これって本当かよ…?」

道行く人々は何か信じられないものを見たような顔をしている。何だ?何か大それた事でもあんのか?

張り紙を見ると、そこには本当に「大それた事」が書かれている。何でも王女が呪いをかけられたらしく、それを解いた者には身分と望むままの報酬が…

報酬!?

望むままの?

…おいしい……おいしすぎる!

ようやく俺にもチャンスが回ってきたか。今まで薄暗い、湿っぽい、かび臭くてろくでもないモンスターばっかりうろうろしてて、およそ知的で頭の切れる足の長いユカイで女にモテる、美形の俺様には全っ然似合わないダンジョンでレベルを上げてきた甲斐があるってものだ。

早速ギルガメッシュの酒場へと足を運ぶ。ここは冒険者が集まる場所として有名だ。と言っても俺様くらいのレベルの奴はいない。どれもザコといって差し支えないような奴等だ。

よう兄さん、何か見た感じ強そうじゃねえか?俺らと組もうや」

横から早速声をかけられた。どうやらドワーフだな。

「その格好からして…忍者だろ?いいじゃねえか、俺らもちょうど忍者探してたんだ」

見るからに弱そうだ。どうせレベル10そこそこだろう。まったく…

ムサいおっさんと組むつもりはないね。どけ

誰が好き好んでオヤジと組むかよ。だいたいレベルの差を感じ取れないのか?足手まといを探しにきたんじゃないんだ。

「…おい兄ちゃん、人がせっかく親切に誘ってやってんのに…」

「なんだ?やるのか?」

ふん、ザコの分際で。この場ででも刎ねてやろうか

レベルは一番強そうな奴でも10ってところか。話にならないね。その程度で俺様に向かってくるとは、その度胸だけは誉めてやってもいい。でも俺様のレベルははっきり言ってこいつらとは桁が違う。元魔法使いかつ元僧侶かつレベル550の俺様に、指一本でも触ることが出来たら上出来だ。

当然呪文は全部使える。今は手ぶらだが、当然こっちの方が、下手に何か武器を持つよりもはるかに強い

「上等じゃねぇか!!表出ろ!!」

「いいのか?…死ぬぞ?」

「死ぬのは…」

一人が剣を抜いた。やれやれ、そんな安物の剣で何を斬ろうってんだよ。…大根程度なら切れるかもしれないな。いやいや、失敬失敬。それに、こいつらが持ってるのは剣じゃなくて包丁だったな。

「…てっ……てめぇだーッ!

風を斬って剣を振り下ろす!…とでも自分の頭の中で言ってるんだろうけど……のろい

それこそハエが止まるスピードに見えるな。別に食らってもいいけど、わざわざこの美しい俺様に傷をつけるのも癪だ。

…仕方ない、面倒臭いけど殺してやるか

 

…………小一時間後…………… 

あー弱かった。でもちょうどいい準備運動だったな。まぁあいつらも運が良ければ誰かが拾ってカント寺院にでもつれてってくれるだろう。もっと運がよけりゃにならずに済むかな。

やっぱり普通は首刎ねたら死ぬよな。生き返ってくるなんて常識はずれだ。安らかに眠ってくれよ。もっともゾンビになって出てきてもまた首刎ねてやるけどね。

とりあえず迷宮に入る前に宿屋にでも泊まるか。馬小屋?そんな小汚いところ、美しい俺様には似合わないな。

今までのレベル上げで稼いだ金は5382976453ゴールド。

読みやすくすると53億8297万6453ゴールド。長者番付にランクイン♪されること請け合いだ。

リッチな俺様の定宿は当然ロ・イ・ヤ・ル♪。ロイヤルスウィートに決まってる。まぁ、始めたばっかりのザコ貧乏人は大人しく馬小屋にでも泊まるんだね。


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