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Wizardry The Curse of Ancient Emperor



極悪忍



Nobuyuki Morita Presents


 

――古代皇帝の玄室で――

 

 

「もうここから下りの階段はないみたいですね」

「なんだ、もう底に着いたのか。あっけないもんだな。で、例の古代皇帝ってのはどこにいるんだ?」

「さ、さぁ、そこまではちょっと…」

ここは地下九階。昨日ムサ苦しい奴等を片づけたところからさらに1フロア下ってきた。さすがにこの辺にくると、モンスター共に殺された奴等の死体とかが転がってることも珍しくない。

「さてと、どうするかな」

「このフロアはもうほとんど調べちゃいましたからね。どうしましょう?」

「……ん?…あそこ、落とし穴があるな」

「…あ、あの…まさか…」

「マルチ、先に降りろ

「やっぱり(T T)…」

こうなったらもう何でも試してみるしかない。ひょっとしたらさらに下に通じてる通路かも知れん。

「どうだー?」

「行けそうですー。ずっと下まで続いてますよぉー」

よし、それじゃ俺も行くか。

中には行ってみると、この穴はどうも落とし穴という訳でないらしい。とんでもなく急な坂、といった方がいいか。

先の方で「きゃっ」という短い悲鳴が聞こえた。多分マルチだろう。どーせ着地に失敗して尻でも打ったに決まってる。

「どーした?尻でも打ったか?

「ぐすっ…はい……」

「どれ、撫でてやる

「………ちょ、ちょっとロア様ぁ!」

「なんだ?」

「うううう後ろ後ろ!」

なんだよ、せっかく今からいい事しようとしたのに「後ろ」?

振り返ると、何とそこにはドラゴンゾンビが立っている。その距離約10m。ブレスでも吐かれた日にゃあ、普通の人間ならちょーどいいくらいのミディアムか、少しレアっぽい焼け具合だろう。

「にに逃げましょう!逃げましょうよぉ!」

「まーそう固い事言うな。心配しないでも誰も来ない。恥ずかしがる事無いぞ?

「…じゃなくってぇ〜(T T)。ドドドドラゴンゾンビがいるんですよぉ〜?(T T)

「それが?」

「……それが…って…目の前のドラゴンゾンビ私のお尻とどっちが大変なんですかぁ〜!」

「とーぜんマルチの尻に決まってるだろうが」

地響きのような音が当たりに響く。ドラゴンゾンビがこっちに近づいてきてるんだろう。マルチはあまりの恐怖に尻どころか胸を揉まれてる事も忘れてるみたいだ。

「ロ…ロア様……もももうそこまで…」

「んー?あぁ、あれか。…しょーが無い。あれ片づけたら揉み放題だからな」

お尻でもでも好きなだけ触っていいですから何とかして下さいぃー!」

なかなかいい事言うようになったじゃないか。勤労意欲をそそられる言葉だな。

「…よぉし、特別サービスだ。マサムネで相手してやるよ」

ドラゴンゾンビが手を伸ばせば楽々届く距離でマサムネを構える。

「おいマルチ」

「は、はいっ?」

「さっきの言葉忘れるなよ」

「…(かぁあっ)…」

「クックックック……来てみろバケモン。お前さえ殺りゃぁりたい放題だ♪

ドラゴンゾンビが汚い唾液を垂らしながらさらに近づいてくる。そしてブレスを吐こうと息を吸い込んで…

斬るっ!

大きくのけぞったところで地を蹴った。

次の瞬間には口を大きく開けたままのドラゴンゾンビの首が転げ落ちている。またしても一撃で首を刎ねてしまったか。こうもあっさりだと読者の皆さんに申し訳ないな。まぁ作者の文章能力が貧弱って事で勘弁して欲しい。

「さぁてと……マ・ル・チぃ〜

「あ、あのっ…ほら、ここってダンジョンの中じゃないですか?こんな所で…あ、あそこに棺なんてありますし、こんな所だとバチが当たっちゃいます(T T)

「俺はどこでも構わんぞぉ♪天罰も神罰も仏罰も全然恐くないし」

「どどどどどうせならリルガミンの宿に帰ってから…」

「もちろんだ」

「(ほっ)…そ、それじゃあ……」

メインディッシュはな」

「え?」

「オードブルは今いただく」

「ちょ、ちょっとロア様ぁ!……っあ…や、やめ……

…わかっておらぬ……

「ん〜?どうしたんだ?ずいぶん敏感じゃないか?」

だっ…だめ……お願いですぅ…んあっ………やめ……くぅ…ん…

……おい、そこの二人

「ほら、ここはどうだ?」

い…いやぁ……はぁっ…ん………

…聞いとるのか若造っ!!

「ずいぶん興奮してるじゃないか?さっきまで嫌がってたくせに」

あぁ……いや…いやですぅ…

わかっておらぬ!貴様らは何も解っておらぬのだ!

「うっさいぞジジィ!!しばらく黙ってろ!」

(………………)

「…ん?ジジィ?」

すっかり力が抜けてぐったりしてるマルチを寝かせて振り返ると、いつのまに開いたのか棺の蓋が吹っ飛んでる。そして棺の上には大袈裟なくらいの衣装を着たおっさんが立っていた。

きききき貴様…よくもこのハルギス様に対してシカトかましてくれたな…

「あぁ、何だあんたが親玉か。…で?俺は今忙しいんだよ」

っこの若造がぁーーキサマのその肉を我が糧としてくれるわぁ!!

「間に合ってるよ」

…へ?

「さぁてとマルチ、今続きしてやるからなぁ」

………っっちょーしに乗んじゃねぇーっ!このガキぃ〜!この古代皇帝ハルギス様を嘗めとるのかぁ!

「黙れザコ!弱ぇくせに俺様の邪魔すんな!せっかくいいとこだったのに…見ろ!マルチだって雰囲気でて…」

ないですっ!さっきのはロア様が強引に…」

「その割にはずいぶんと興奮してたみたいだなぁ?んー?」

「そっ…それは…(かぁっ)……」

「どーだ?続きして欲しいか?」

「あ……そ、その…」

「なぁんだ、して欲しいんじゃないか。遠慮するな。むしろ身体にはいい事なんだからな」

…っもぉキレたぞ!マヂギレじゃぁ!キサマらズタズタに食い殺してくれる!

「……ほぉ、ザコの分際で…首刎ねて欲しいのか?」

黙れ小僧!ハルギス様の力を見せてくれる!……必・殺!!いきなりティルトウェイト!!!

突然、何の前触れもなくティルトウェイトを仕掛けてきやがった。でもこのおっさんは知らんようだな。俺様くらいの超ハイレベルな忍者になれば、呪文はほとんど無効化できるって事を。まぁまともに食らってもティルトウェイト十五発程度じゃ別に回復するまでもない。そのままで十分いける。(何がだ…)

「…で?今何かしたのか?」

なっ…何ぃっ!?……なぜ…何故効かん!?そんなのアリか!?

アリだ(大イバリ)。」

卑怯だぞ!キサマ卑怯だと思わんのか?普通勇者といったらセコセコレベル上げて、苦戦に苦戦を重ねてラスボスに打ち勝つものじゃないのか!?

「ふんっ、俺様に限っては何でもアリだからな」

な、何故…たかが人間の分際で何故…?

「知りたいか?」

(……………)

じわりと間合いを詰める。マサムネを構えてハルギスへと歩を進めた。

「なぜならば…」

くっ…来るなぁ!汚いぞ!キサマそれでも主人公かぁ!

「何故ならば……俺様だからだ!!

剣光一閃。ハルギスの首が転げ落ちる。地面に落ちた首からハルギスの冠が外れた。…終わったな。

終わって見りゃあっけないもんだ。取り合えずこの冠を証拠品としてもって帰るか。

「さぁ〜て、マルチぃ〜〜

「ちょ、ちょっとロア様…?かかか帰るんじゃないんですか?」

「帰る前にることがあるだろう?何しろ触り放題揉み放題だからなぁ」

「も、もー許して下さ……あっ…」

ふぅ、労働の後の息抜きはいいもんだ。取り合えずたっぷり味わってから帰るとしよう。


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