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Tactics ONE short story



輝く季節へ


清水なつき編

最終章

by 荒竹


演奏
お兄ちゃんが死んだのは、私が中学3年生の時だった。
昔から病気がちで、お医者さんからも長生きしないって言われていた私が死なないで、代わりにお兄ちゃんが死んだ。
私が死んだ方がいいって、その時考えた。きっとお父さんもお母さんもそう考えてるって、ずっと思ってた。
だから、あの日、お兄ちゃんが死んで1年たったあの日、あの場所で、死のうって。そしたら、お兄ちゃんは帰って来るんじゃあないかって、思ってた。

結局、お兄ちゃんは帰ってこなかったし、私も死ななかった。
あの人が助けてくれたから。
最初は、お兄ちゃんの生まれ変わりだって思った。だから、私、今度はいい妹になろうって、必死だった。
あの人もそれに合わせてくれたのかな。私を本当の妹のように扱ってくれた。
でも、いつからだろう。あの人が私を通して別の娘を見ていることに気づいたのは。
そして、私があの人をお兄ちゃんの替わりではなく、一人の男の人として好きになったのは。

今度は急に「恋人」になるためにって、無理をして。
私はみさおちゃんの替わりじゃないって、気づいてほしかった。
ごめんなさい。浩平さん。
やっぱりこんな勝手な女の子、嫌いだよね・・・
あれからもう一年かぁ。ふられちゃったかな、わたし。


演奏
「素敵だったよ、澪」
演劇部の春の発表会が終わった後、なつきは澪と二人で一緒に帰っていた。
澪の演技は、昨年よりも確実に上手くなっていた。
誉められて、ちょっと困った顔をしながら、スケッチブックに何か書く。
『ありがとう』
続けてなつきの顔をじーっと見つめて、
『なつきの新しい髪、似合うの』
「うん、ちょっとイメージを変えてみたくって、ね」
なつきは腰まであった長い髪を切って、おかっぱ頭にしていた。
『きっと喜ぶと思うの』
「喜ぶって、誰が・・・?」
『なつきの大切な人』

「ああ、そっちの方が健康そうだ」
澪がなつきにスケッチブックを見せたのと、同時。ふいに後ろから声を掛けられる。忘れられない声。なつきはすぐには振り返れなかった。
澪が、にこっと笑って、どん、となつきに体当たりする。よろけて2、3歩後ずさったなつきは、広くて暖かい浩平の胸に受け止められた。
「なあ、この前の答え、まだ時効じゃないよな?」
「オレも、お前のことが、好きみたいなんだ。よかったら、これからも一緒にいたい」
「・・・・・!」
正面に向かいなおして、浩平を強く抱きしめる。
それがなつきの了解の意志だった。

演奏
<了>




あとがき
二次小説二つ目、今回は想像新キャラシナリオです。
今回の目標は、「輝く季節へ」本編と比較されること(^-^;
と言うわけで、実際のPSゲームをプレイする前後にまた読んでいただけると幸いですm(__)m

最後になりましたが、チャットでネタを提供して下さった、たのもさん、まきんさんをはじめ、その時居た方、ありがとうございました。



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