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Tactics ONE short story in DQ3



〜そして輝く季節へと〜


世界樹求めて

by keita


 
―『世界樹』・この世界の創生と共に在ると言われている伝説の樹。
        ・その葉には全ての生命力が宿ると言われ、死者すらも蘇生させると言う。
       ・伝説であるため、その真偽は定かでは無い。
 
                                   『創生黙示禄より』―
 
 
勇者こうへい「ほほぉ……、これが噂に聞く世界樹、ってやつか」
僧侶みさき「こうへい君、ちょっと休んでいいかな」
勇者こうへい「そうだね…すこし休んで行こう。…それにしてもでかい樹……」
僧侶みさき「そんなに大きいの?」
勇者こうへい「うん、ほら、こっち来て触ってみたら?」
僧侶みさき「うん……」
 
……ぎゅっ。
 
僧侶みさき「うわぁ、両手でも全然届かないよ」
勇者こうへい「そりゃそうだ。あと何十人かで手繋がないといけないくらいに大きいさ」
僧侶みさき「ふ〜ん…そうなんだぁ……」
 
―しばしの休憩、つかの間のお休み―
―けれど勇者には目的がありました。死者すら生返らせると言う世界樹の葉。
そのエキスは万病、どんなケガにも良く効くとのこと。と、いうことは―
 
勇者こうへい「ねぇ、先輩」
僧侶みさき「ん? なぁに、こうへい君」
勇者こうへい「その……目、見えるようになりたいよね……」
僧侶みさき「……どうしたの、いきなり……?」
勇者こうへい「この世界樹の葉っぱだったら、先輩の目も治せるかもしれないんだ……」
僧侶みさき「もしかして、それでここまで来たの…?」
勇者こうへい「……うん…」
僧侶みさき「……そう…」
 
―風が吹き……その身を揺らす世界樹が―
―さやさや、ざわざわ音を立て……その調べは、何をふたりに語りかけるのか―
 
僧侶みさき「……ありがとう、こうへい君」
勇者こうへい「え…?」
僧侶みさき「私の目、見えるようになるかも知れないんだ?」
勇者こうへい「…そうだよ」
僧侶みさき「でもね…私、ちょっと怖いんだ」
勇者こうへい「……何が…?」
僧侶みさき「いつかも言った事あると思うけど…私が知ってる私は小学生の私までだから……」
勇者こうへい「それで…?」
僧侶みさき「だからちょっとだけ……怖いかな。ね、ほんとに私、変じゃない…?」
勇者こうへい「そんなの…全然変じゃなんてないよ……」
僧侶みさき「ふふっ、こうへい君優しいからね……ウソ、ついてない?」
勇者こうへい「俺はこんなことでウソついたりしない」
僧侶みさき「……そう…そうだよね」
 
―世界樹がその身を揺らす―
―ふたりに優しく語りかける―
 
勇者こうへい「じゃ、やってみるよ?」
僧侶みさき「…うん」
 
―はてさて、その結果は如何に。その瞳に再び光が戻るのか、それとも―
 
―とある街角、とある場所。ふたりは変わらずそこにいた。
ふたりいっしょにそこにいた。変わらず瞳はお互いを……うつしていましたとさ―



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