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Tactics ONE short story



輝く世紀へ


プロローグ

by laughcat





高校入試の日、彼女に出会った。
試験を終えて帰る時、校庭から聞こえる掛け声に誘われるように、校庭の方に行ってみた。
そこにあったのは数十人の高校生が一つのボールを追いかけている姿だった。
それはサッカー部の練習風景。
その中にある人物の姿を探そうとした。
でもそれが見付かる筈もなくて、
見付けられなくて悲しくなるのを知っていながら、
その人を探してしまう自分がいて
「泣いているの?」
彼女に声を掛けられて始めて気付いた。
視界が涙でぼやけている事に
その涙がこぼれないように目を瞑り
声を掛けた人物を確かめる為隣に目をやると
高校の制服を着た女の人が校庭のほうに目を向けたまま立っていた。
「泣いちゃダメなんだよ」
彼女は同じ方向に視線を向けたままに言った。
「辛くても、泣いちゃダメなんだよ」
彼女が…泣いているように見えた。
彼女も、そこにいない人を見つめているように見えた。



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