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Original Novel Pochikun Presents



Bye〜rain〜


17.彼方

by ポチくん





Feb 7 WED




・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

聡人
 「・・・ふあああぁぁぁ〜おふぁよ〜ございまふ〜」

真由美
 「あらあら聡人さん、眠そうですね」

聡人
 「ええ、昨日はなぜか遅くまで起きていたようなきがしますよ」

真由美
 「あら、夜更かし?だめよ、今日も学校あるんですから」

真由美さんがそう俺に言い揶揄す。

聡人
 「ええ、すいません」

そうこうしていると、麗奈も起きてきたようだ。

麗奈
 「あら、兄さん早いのね」

聡人
 「ばーか。今日はお前が遅いんだよ」

麗奈
 「ぬ〜そうでもないよ」

そう言うと、麗奈はテレビの電源をつけた。

テレビでは、まだ朝の占いが始まったばっかりだった。

聡人
 「あれ?変だな・・・」

そこに、真由美さんが朝食の準備を終わらせて出てきた。

真由美
 「聡人さん、なんか変ですよ?」

う〜ん・・・?よく分からない。

頭がぽわ〜んとして、妙に気持ちが悪い。

聡人
 「そういえば俺、今日自分の部屋で寝ていませんでした」

真由美
 「自分の部屋で寝ていない?」

聡人
 「分からないですけど、起きたら隣の部屋にいましたよ」

真由美
 「変ねぇ・・・」

そのあと、俺は寝ぼけていたのかなぁと付け足した。

パンを食べながら真由美さんが首を傾げる。

麗奈
 「そういえば、その部屋って誰も使っていないね」

真由美
 「そうなんですよ。なんでかしら?」

俺は何か引っかかるものを感じながらコーヒーを胃の中に流し込んだ。

聡人
 「ほら、早くしないとまた遅れるぞ」

麗奈
 「え?あ、スポーツコーナー?うわ!早すぎ!」

聡人
 「早すぎでも何でもないぞ!」

麗奈
 「あ、ははーい!」

俺たちは、さっさと準備を済ませて家を出た。

・・・







いつもと変わらない、日常。

朝。

真由美さんと挨拶を交わし、麗奈と一緒に登校する。

麗奈はまた、転んでは雪をほろっている。

俺はそれを見て苦笑する。

学校に着いたら淳がまたバカなことを言い、瑞穂がその話にひょこっと入ってくる。

古典の時間には瑞穂と遊んで時間が過ぎる。

昼休み。

麗奈が珍しく弁当を忘れたと、購買の前で戸惑っている。

俺は仕方なく麗奈の分も買ってやる。

放課後。

今週の掃除当番は化学室。

担任の担当教科は化学。

今日は担任が出張でいなかったため、適当に掃除をしても問題無い。

日の短い一日。

俺はいつものように橋の上を通って家に帰る。

普段は見えないが、天気のいい日はこの橋の上から遠くの山が見える。

この橋の上は、俺のお気に入りの場所・・・だったはずだ。

しかし、なぜかここには来たくない。

なぜかは知らない。

もしかしたら、思い出せないのかもしれない。

だが、そんな混沌なんて俺には興味のないことだ。

夕食。

俺と、麗奈と、真由美さんが一つのテーブルに着く。

俺たちは他愛の無い話に花を咲かせる。

食後はコーヒー。

コーヒーを飲んだら夜が眠れなくなるというが、俺たちにはそんなものは通用しない。

そして、風呂に入って寝る。

毎日がこれの繰り返し。

これが日常。

日常の些細な変化は、夜と共に黒く塗りつぶされる。

次の日になったらその変化なんて気にならない。

そしてまた同じ日を繰り返す。

今日と同じ日はもう戻ってこないと、偉い人は言う。

だが俺にとっては昨日も、今日も、明日もあさっても、日常というアルゴリズムに組み込まれて、そして記憶という曖昧なものに押し込まれる材料に過ぎない。

考えてみると、俺の変化のある日常とはつらいことばかりだった。

父さん・・・

母さん・・・

姉さん・・・

そして、瑠璃・・・

俺は逃げているだけなのか?

つらい事があって、嫌な事があって・・・

それから逃げ出したくて・・・

いいじゃないか。

変化とは哀しいことなんだ。

いつもと違うことがあると、それは必ず哀しいことになっていったんだ。

だったら、変化がなければ哀しくなる必要なんて無い。

簡単なことだったんだ・・・

変化から逃げればいいんだ・・・

それだけで・・・

それだけで・・・

・・・半人前の幸せで生きていけるんだから。


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