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Rinne Tsukishiro Original Novel



大パニック!?コスプレパーティー


by 月城りんね




平和な日曜日の午後、メンバー一のお調子者男、堀雅のたっての希望で遊園地の方へ行く事になった。
もっとも、長官はメカの修復作業で研究所を離れられなく、
リーダーである圓城潤は長官の従兄弟だと発覚した光瀬礼毅の面倒を見なくてはならない為欠席した。
「ミヤが遊園地へ行こうって誘うのは、何か下心あるんじゃないの。」
と、空手黒帯で元アイドルの星野まゆらが言った。
「ミヤ・・・何時の間にレイさんを連れてきたんですか?ゆん達が知ったら大目玉だよ・・・。」
と、チーム最年少の寺島樹が雅の肩に腕が乗っている青年・光瀬礼毅を見つけた。
「そうよ。レイの体力はだいぶ回復しているといっても本調子ではないって長官が言ってたわ。」
と、まゆらと理央が口を揃えていった横で・・・
「今日はレイがいないと意味がないんでね。長官やゆんがいた方がもっとよかったんだけどな。」
と、雅はこういったのである。
「ああ、ちゃんと、レイ借りるって置き手紙は置いてきたぞ。光瀬研究所のリビングにな。」

その、光瀬研究所では・・・

『長官&ゆんへ、ちょっとレイを借りていきます。夕方には返しますので by雅』

「あんの・・・ヤロー・・・」
潤が肩を震わせ怒っていたのである。
潤が研究室に行っている間に雅が礼毅を連れ出した為である。
「あいつの体力が弱っているのを知っているくせに連れ出しやがって・・・。
長官、すみませんが春風遊園地に行ってきます。」
「確か・・・あそこは今日コスプレって言ったっけ。そういう関係のイベントがあるって雅言ってたよ。」
と、友貴長官はそう言うと、潤は雅の趣味を思い出した。
「確か雅の趣味はカメラとコスプレ・・・」

場所は変わって春風遊園地・・・
入場口近くのイベントインフォメーションを見てまゆら、理央、樹の3人は雅の目的を知った。
「堀!あんたの狙い・・・よーくわかったわ。あんたの趣味に巻き込ませる予定だった訳ね。」
と、雅と同級生である資産家の令嬢、速水理央が雅に突っ込んだ。
「ついでに言うと・・・一週間前に登録済ませたからキャンセルはできないよ。速水はこれ、まゆらはこれ、樹はこれ。」
と、雅は3人にコスプレ衣装らしき者の包みを渡したのである。

男子更衣室の中・・・
「ミヤ・・・これってあの漫画のコスプレですよね。」
と、樹は雅に尋ねた。
「そうさ。でもレイの場合コスプレというより、エビル・レイそのまんまだよ。」
2人は礼毅のコスプレ衣装を見て引きつっていた。

更衣室の扉が強引に開くと前に何時の間にかコスプレ衣装を着た潤が立っていた。
「お・ま・え・な・・・・。俺のいない間にレイを連れてくとは何事だ。あいつの体調は本調子でないんだぞ。」
と、手に持っていた竹刀で潤は雅をしばき回そうとした。
「げっ!どうしてここが!?」
と、雅は引きつり後ずさりしていた。
「それにな・・・昨日の晩からレイ・・・熱を出して更に体調が悪くなってるんだぞ!!」
それを聞いた2人は驚いた。

その隙に潤は礼毅を肩に担ぎ、休憩所に座らせ、額に冷却ジェルシートをあて応急処置を施した。
そんな光景を見た一部の婦女子達に盗撮されている事も露知らずに。

「ほんと!あいつ、昔っからスケベ心だけは相変わらずよね!!」
と、女性格闘家風の衣装のまゆらとお姫さまな理央が女子更衣室から出て外をうろついていた。
「理央も!知ってて当然よね、3年間同じクラスなんだもんね。」
こっちの2人もカメラ小僧が狙っていたのである。
何せ、かたや資産家の令嬢かたや元アイドルの美少女2人、更に足が目立つ訳なのだから。

「こら!紐を解きやがれ!!あの・・・性格悪!!」
雅は先程、潤に竹刀でしばき回され、紐で縛られてしまった。
雅は潤に対して逆切れしてしまっており樹になだめられていた。
「・・・自業自得だよ、ミヤ。連れ出すなという警告を無視したんだもん。」

ちょっとトラブルはあるものの平和な日常を邪魔する連中が現れ遠くで悲鳴が聞こえていた。
良く見てみると・・・
魔界の将軍の一人シーリスと戦闘員が暴れていた。

「出て来い!レイ!!俺達の仲間になれ!ならなければ一人ずつ殺す!!」
と、脅しをかけた。
元々調子が良くない礼毅は飛び出そうとしたが潤に止められた。
「奴等は・・・俺が狙いだ。ゆん達には迷惑はかけられない・・・。」
と、礼毅は高熱でふらつきながらもシーリスと戦闘員に立ち向かって行こうとしたのだ。
「俺も行く・・・レイ一人だと多勢に無勢だからな。まゆらと樹は長官に知らせてくれ!理央はミヤを監視していろ!!」
と、潤は4人にそれぞれ指示を出した。

「ひゃーはっはっは!早く出て来い!レイ・ヴァルフィード、我らが仲間になるならそれで良し・・・」

「残念だったな!レイはてめえらの仲間になるつもりはない!!」
と、コスプレ衣装のままで潤はシーリスに啖呵を切った。
「き・・・貴様はプラネット・レッド・・・、どけっ!お前には聞いていない!!」
「あんたには悪いけれど・・・俺も一応、プラネットストーンの所有者の一人なんでな。」
と、高熱でふらついてはいるが礼毅は混沌のチョーカーの石を見せ付けたのである。
「俺は・・・人間を憎んでいるのは事実だ・・・だが・・・友貴兄さんに危害を加える奴等には容赦しない!!」
礼毅はシーリスを睨み付けたのである。

「ちっ・・・いけっ!手下共、あの2人を血祭りにあげろ!!」
と、シーリスは戦闘員達に指令を下した。

「ゆん・・・この剣を使え!俺の持つヴァルティザンと対の剣ラグナロックだ。
マルスの守護を持つ戦士にのみ使いこなす事が出来る・・・。」
と、礼毅は潤に壊した剣の代わりに新しい剣を渡したのである。

2人の背後に戦闘員が襲い掛かってきた。
2人は涼しい顔して戦闘員を1体ずつ倒した。
シーリスは次々と戦闘員をけしかけだした。
しかも、礼毅に集中砲火を浴びせるように。
「レイを集中攻撃しろ!!あの男・・・人魔ハーフで猛毒の後遺症で弱ってるようだからな。」
シーリスはスパイの情報によって礼毅が混血児である事を入手していたのだ。

「あいつら・・・そこをどけ!!」
礼毅が狙われている事を知った潤は得意の居合いぎりで戦闘員達をなぎ倒していった。
礼毅も槍の返し突きや上段蹴り、かかと落としなどで応戦していた。
しかし、体力が落ちている礼毅は従来の力が発揮できないのだ。

最後の一体が礼毅に襲い掛かろうとした途端・・・
潤の最後の一刀が最後の戦闘員を襲った。

「ちっ・・・!退散だ!!」
と、シーリスは単身退却を余儀なくされてしまった。

「これで・・・全部・・・かたずけ・・・」

礼毅は戦闘員達を生身でなぎ倒し終わると同時に潤の肩の上に倒れ込んでしまったのだ。
「レイ!」
「ゆん、長官に連絡をしておいたよ。あと10分でこっちに着くっていってた。」
と、電話をかけに行ってた樹とまゆらが潤達のもとに戻ってきた。
そのどさくさに逃げようとした事件の元凶である雅は・・・
「あんた、何逃げてるのよ!!堀!あんたが悪いんだからね!!」
と、新体操のリボンを持った理央に縛られて説教を食らっていた。

それから2日後、イベント会場で倒れた礼毅の症状だが・・・おたふく風邪にかかっていた。

「お・・・おたふく風邪!?確か、あの人、ゆんより年上だった筈。」
と、潤を除く4人が口を揃えていった。
「礼毅の本来の体力ならば人間がかかる病気にはかからないのですが・・・、
1ヶ月半前のあの事件の影響でかなり体力が落ちてましたから。」
と、友貴長官が口を挟んできたのである。

今から1ヶ月半前、魔族の一部隊が長官暗殺を企て猛毒の弾丸入りの銃で狙撃したが礼毅が身を盾にし失敗に終わっていた。
礼毅が心臓に受けた猛毒の弾丸は魔族には無害だが人間を即死に至らしめる即効性の物。
礼毅が血を吐いた事により5人に人魔ハーフである事を知らしめる事になった。
解毒の秘術があと3分遅れていれば彼は死んでいたかも知れなかったのだ。
その後遺症で礼毅は人間の幼児と同じ体力にまで落ちてしまい約2ヶ月は安静していなければならなかったのだ。

「・・・それを自分の欲の為に連れ出しやがって・・・!
更に2週間余計に安静する羽目になったのは誰のせいだと思ってるんだ!?」
と、潤は、愛用の竹刀を握り締め雅を睨み付けたのである。
睨み付けられた雅は小さくなっていた。

『コスプレしたゆんとレイの2ショット写真、あの手のサイトに投稿したら
反響が凄かったもんな・・・。また、協力してもらおっかな・・・。』
と、雅は再び邪な考えを持っていた事は仲間内ではまだ知る由も無かった。



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