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Original Novel TAKA Presents



AnotherStory04


「Go on a merry way ♪」






俺の名前は志野悟志。



ミーンミーン、ミーンミーン・・・
ジィィィィィィィィィィ・・・



私立皐武(こうぶ)大学一年生経済学部産業経済学科学生・・・
よし、噛まずに言えたっ。



「〜〜〜〜〜〜・・・・・・。」
本日はお日柄もよろしく最高気温が
30℃の大台に乗った。

多分まだまだ上がるだろう。

「あちぃぃぃぃぃぃ〜〜〜・・・。」
しかもエアコンが性能が悪いのかほぼ無力。
悪夢だ、惨劇だ。
核ジャックよりも最悪だ・・・。



そして、11階のマンションは
太陽をさんさんと浴び
体感温度を上昇させる。

ちなみに今Tシャツを脱いで
ランニングと短パンというだらけた格好だ。

しかし汗はとどまることを知らない。



仕方がないので
シャワーでも浴びてこようと思ってたら。

電話が鳴った。



「・・・本屋・・・」

頭が熱くなって誰の声か判断は出来なかったが
「本屋」と言う単語だけは聞き取れた。



本屋=冷房効いてる。




「ん〜・・・。」
冷たい風が
「はぁ〜・・・。」
最高だ。
涙も出てきそうだ。

電話の主なんてもうどうでもいい。
よし、今日は一日中立ち読みかゲーセンだな。
こっからちょっと自転車をかっ飛ばせば
喫茶店付きゲーセンがある。

先ずは本。
さーて・・・
今日は何が出てるかねぇ・・・?

っと・・・お。
どの雑誌も夏のソフト特集か・・・。
もうすぐ発売ラッシュだからな・・・
どれを買ったらよいのやら。

読者コーナー重視のAか。
細かい情報重視のBか。
それとも定番のDか・・・。



と、思慮中に
3冊全部持ってく手が。

熱いのが居るな。
全部買うとわ。
俺も見習いたいものだ・・・。

雨にも、風にも負けぬ
そんな熱いゲーマーに、私はなりたい。

なんて(笑)。

「あ、悟志だ♪」
お前か、みのり。



「どーした、3冊買うなんて。」
「ん〜・・・何買ったらいいかわかんなくて〜・・・。」
で、全部買っていると。
「そーか。
 で、アレやってるか?」
RPGをやってみたいと言っていたので
事前予習として凡作で予習させている。



さて、話を元に戻して。
「うん。
 でも難しくない?」
みのりらしい質問だ。
「そうか?
 アレそんなに難易度高くないぞ。」
「え〜、でもお金全然足りなくなるよ。
 一回戦うでしょ。」
「うん。」
「で、宿屋に行って。」
「おいおい、心配性だなー・・・。
 5、6回戦っても死なねえって。

 あ、武器装備してねえ、ってオチ、無しだぞ。」

・・・

「そうか・・・。」
そうだった(爆)。
「そんなのあったの〜・・・。」
しかし俺は怒らない。
むしろ温かい眼差しを送る。

俺も小学校の時はそれに必死に悩んでたっけ。
むしろRPG初体験者のみのりにはいい経験になったはずだ。
こういう失敗は一回はあった方がいい。
「ま、気にすんな。
 いいこと教えてやっから。」



いいこと=RPGのコツ。

「と、まあこんなところだな。
 多分これでうまくいくだろ。
 分かったか?」
「うん。大丈夫。」

なんかいいなぁー・・・こういう
人に物を教えるってのは。



・・・
「あ、ねっ、悟志。
 車の免許って持ってる?」
「免許?」

ふっ
俺だって単なる大学生じゃねえ。
これから何かと役に立つだろうから
貯金を使って取ったのだ。

「おう、持ってるぞ。
 なんかあんのか?」
「ね

 今度の休みにどっか行こ。」

そっか。
う〜ん・・・
外出とかってのはちょっと苦手なんだよな。
わざわざ外出することにメリットを感じられないんだよな。

とはいえ。
あんな暑い部屋にいるのも・・・。

まぁ・・・
最近みのりとどっか行ってないし
どっか行くのもいいか。

「で、何処だ?
 いい場所知ってるのか。」
「旅館がね、行けるんだ。」

旅館・・・

「みのり!
 お前運いいナァ〜〜〜(涙)。」

商店街で夏の抽選会をやってた。
1等は忘れたが
2等が確かその旅館の宿泊券だった。

「お前凄いぞぉ〜〜〜!」
「え、えっ・・・ちょっと違」
久しぶりに周りの視線も知らずに大喜びしてしまうが
もうどうでもいい。
まさかこんな身近に強運の持ち主が居たとわ。
嬉しさ余って肩をがくがく揺する。



よっし、行くぞ!
待ってろ、避暑地の旅館!





「Go on a merry way ♪」





と、言うわけで
初心者マークがまぶしい
俺の(親父から借りた)車が高速にいる。

「悟志の番だよ。」「おう。」
と、携帯ゲームを握りしめる。
みのりと対戦中だ。

えっ?
そんなんでいいのかって?

まあ確かに普通なら事故でも起こして
夕方のニュースで
「行楽シーズンの罠!
 後続11台を巻き込む玉突き事故!
 重傷:志野悟志(19)
 無傷:真風みのり(18)」
って、放送される所だが・・・



今はその心配は全くない。

だって、なぁ・・・?



「渋滞:残り25km」
電光掲示板の文字が悲しい。

世間一般では夏休みに入ったのか
渋滞に巻き込まれてしまった。
しかも午前11時の直射日光が痛い。

かれこれ30分。
一体何メートル進んだだろうか、と言う単位である。
「みのり、何メートル進んだ?」
「さっきのインター、まだ見えるよ。」
「・・・・・・。」

まいったな。



「あ、ねっ。
 あの車の人凄いよ、夏なのにコート着てる。」

まあみのりのテンションが衰えないのが救いか。

「ねっ、あれあれっ!!!!」
「おい、・・・ちょっとうるさいぞ(汗)。」
「番号「99−99」!」
「マジかっ!?」

俺も元気じゃないか・・・。





さて。
今俺達の目の前には海が見える。
そして砂浜を走る車。

・・・

さすがに耐えきれず、高速・・・いや「拘束」を降りて
小一時間ぐらいそこら辺で暇を潰すことにした。

そのころにはきっと渋滞も減っているだろう。

砂浜を左手に走る車・・・。
夏のロック(?)が聞きたいところだ。



さて。
「よし、ここら辺で休憩すっか。」
ちょうど海の家がある所が見えた。
ここで少し暇を潰せば渋滞もましになるだろう。

車を止める。
時間は11時半。
渋滞で予想以上に遅れている。

「そろそろお弁当食べよ。」
さて。

まあ
その飯を作ってくれた好意は嬉しいが
過去のいろいろな経験、ゲームから
・・・

武器名称 攻撃力  射程 命中補正 魔力ランク
弁当   9999 1  +99  S

・・・
と言うような極悪武器が容易に予測できる。

回避行動に移るか移るまいか・・・。
「あ〜ん♪」
「それはボケか?マジか?」「本気だよー(汗)。」

みのりが隠し武器「ア〜ンして♪」を使った。
これは日本人として一度は体験してみたい(爆)。
その衝動に駆られる。

「ったく・・・恥ずかしいことすんなよ(汗)。」
と口を開ける。
みのりには
心の中では口を開けてよだれを垂らしてることは極秘だ。



ぱくっと。
そして噛みしめ、味を確認する。
「どう、おいしい?」
「・・・

 。」
感想が出ない。

まずい・・・と言うわけでもなく。
うまい・・・と言うわけでもなく。

「感想が出せない」味だった。
とりあえず感想を述べる。

「・・・器用な、味だな。」「・・・うん(汗)。」
みのりも食べてみて分かったらしい。



さて・・・。
腹が膨れたので眠気が。
それにしても車の運転は疲れる・・・。

昔なんで親父が運転し終わった後速攻で寝てたのかが解る気がする。

「わりぃ、少し寝るわ。」
「あ、じゃあ少し外で遊んでくるね。」
「じゃ一時間ぐらいしたら戻ってこいよ。」
「わかった。」

シートをゆっくりと倒しながら眠りにつくと
最後に見えたのは砂浜を走ってくみのりだった。

あのまんま助走つけて大圏コースまで飛んでくんじゃねーか・・・?





ぴちょ・・・
人間液体がどうのこうのになると目覚めが早い。
俺は「水害に対する本能」と踏んでいるのだが・・・

何か濡れた物が俺の顔に。

「・・・・・・っ・・・。

視界がまだ白い。
そして段々とはっきり輪郭が見えてくる。

「・・・み
「起きた?」
俺のセリフを取るんじゃねえ(笑)。

それ以前に
「おい、何でびしょ濡れなんだ!?」
「あっ、それはね。
 海で遊んでたら・・・。」
「(ま、そうだな・・・。
  遊べばそうなるか。)」
「凄いんだよ!
 海で子供溺れてたんだよっ!」
「凄くないっ(汗)!!」
「でも凄いんだよ!
 去年も、一昨年もここで溺れた人がいたって。
 近所のおじさんが言ってた。」

なんという海浜だ、ここは・・・・・・。



「で、大丈夫だったのか?」
「えっ・・・

 わたし?子供?」
ってめー・・・(笑)。
ツボを突いたいい質問するじゃねーか(爆)。
失笑を誘う。

「・・・とりあえず「お前」って言っとくか?」


 恋愛ポイント+3♪」
「アホ。」
デコピンと見せかけて・・・

選択
1.やっぱりデコピン。
2.奥義「十王無命拳」の封印を解除する。
3.チューでもしてみるか。



さって・・・。
じゃ行きますか。
そろそろ渋滞も軽減したはずだ。
「よし、飛ばすぞ!」





飛ばしたせいか。
滞り無く旅館に到着。
「おじさん、こんにちわ。」
みのりが挨拶。

「君が志野君か。」
「はあ?」
「家族を代表して、いつものお礼を言っておくよ。
 あ、いつか兄にも会っておくといいよ。
 とりあえず、今日はゆっくり骨休めでも。」
と、軽い挨拶をして去っていった。

・・・

「みのり。

 って事はここ顔パスで行けるのか。」
「?
 でも滅多に来ないよ。」

ここはみのりの家も同然、って訳か。
う〜ん・・・なんかいいな。
そういう「役得」ってヤツ。

「それよりも、着いたんだからゆっくりしよ♪」
「そーだな。」
それが本旨です。



・・・
さて。

風呂も入って卓球もしてゲーセンでも遊んで・・・
「疲れたしもう寝るわ。」
まだ9時だったが布団に入った。
「じゃあわたしも。」
みのりも一人だとやることがないから寝ることにした。

今日全部をリプレイすると
みのりのヤツ妙に攻撃的だったな・・・。
アグレッシブかつオフェンシブ
なんだそりゃ(爆)。

・・・



夏の旅館はちょっと暑くて静かだ。

ごそごそ・・・
「ばか、こっちくんなよ。」
みのりが俺の布団の中に移動してきた。
「暑いし。」



「ね。」
「なんだ、ローラムグランドの無限回廊の攻略法は」
「違うってぇ〜・・・。」
「何だ?」



「ね、Hしよ♪」
「バッ、カッ。」
「ビックリした?」
「アホ、変なボケ飛ばすな。
 祥子の差し金だろ?」

「悟志って
 ビックリしたときとかドキドキした時って
 ちょっとカワイイよ。
 すぐに汗かいちゃって。」
「何言ってんだよ(笑)。」
「そういうときの悟志好きだよ。」



「じゃ、今日お前はドキドキしたか?」
「してるよ。」
「・・・ま、確かに
 初心者マークで高速飛ばせば心臓に悪いな・・・。

 明日の帰りも飛ばすぞ(笑)。」



「みのり。」
「何?」
「おやすみ。」
「・・・

 オヤスミ♪」











おまけ「Demon」



「ちょっと出かけてきます。」
旅行から帰ってきて、すぐの弓道部の練習。
智会先輩にちょっと言って練習場を抜け出す。

・・・
そして。

「あれ?
 どーしたのよアンタ。」

テニス練習中の幼なじみ、祥子。

テニスコートに弓道着のままお邪魔中である。

「何?
 あ、パンチラ見に来たの(笑)。」

テニスウェアのスカートの下に
はいているのは「スコート」という物だ
と、俺は知っている。

「バカ、ちょっと重要な話だ。」
「えっ、何?
 ノートのコピー?」



どごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!!

挙動動作無しで打つ「無拍子」という技を
祥子のあごに放つ。
何故か爆音があがる。

「今回お前殴ってなかったからさ(笑)♪」
「そ、そんな・・・鬼畜・・・。」



しかし今回の祥子はちょっと違っていた。
おもむろに祥子がラケットを振り上げる。
「みんなっ!
 今よっ!」
「なにぃっ!!」

一斉に周囲の練習生が俺に向かってサーブを放ち出す。

大学中に心地よいサーブ音がこだまする。

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

その後は語るまい。

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