Back/Index/Next
Original Novel TAKA Presents



AnotherStory07


「A thing which is more precious than a toy」






僕の名前は真風叢侍。
幼稚園年長組。

土曜日。
今日はおうちで御姫ちゃんと椛ちゃんと遊ぶんだ。



「おっ、今日は新しい女引っかけてきたか〜。」
今日は祥子おばさんが遊びに来ていて
御姫ちゃんを見るとすぐつかまえた。
「ほ〜らっ、たかいたかぁ〜い。」
御姫ちゃんを持ち上げて「たかいたかい」。
御姫ちゃんもちょっとうれしがってた。

それに祥子おばさんも喜んで
「よ〜し、サービス。」
御姫ちゃんを窓の外に出した。



「ほらっ!!
 ホントに高いぞーっ!!」
「・・・あ・・・あ・・・あああ・・・?」
そしたらお父さんが一階からすごい勢いで駆け上がってきた。

どっとっとっとっとっとっとっとっとっ・・・
「・・・・・・(怒)。」
・・・っとっとっとっとっとっとっとっとっどんっ!

やっぱりこうゆうときのお父さんって怖いと思う。





「たいせつ」





「御姫ちゃん、大丈夫?」
「・・・ぅん・・・・・・・・・・・・。」
御姫ちゃんは『ぽやぁ〜』って、さっきから変なとこを見てる。
椛ちゃんが言ってたんだけど
「驚きすぎて驚けない」んだって。

下からお父さんが祥子おばさんを叱ってる声が聞こえる。
・・・こわい。かも。



少しして御姫ちゃんも元に戻って
またもとどおり遊んで・・・

「じゃ〜あっ♪」

ついに椛ちゃんの目が光る。
椛ちゃんとお家で遊ぶときは大体「新婚夫婦ごっこ」をさせられるんだ。
しかも今日は御姫ちゃんも一緒だ。

「私がにいづまでぇー・・・
 叢侍ちゃんがお父さん!」
言わなくてもわかったよ・・・(汗)。
それしかないもん。

「叢侍ちゃんが・・・お父さん?」
「そっ、御姫ちゃん。

 御姫ちゃんは・・・何にしよっかなー・・・

 私と叢侍ちゃんの子供で、五歳の役っ!」

・・・「?」「?」。
何か変だなぁーって、僕も御姫ちゃんも思った。



「そーじちゃん、変な顔しないで
 お仕事に行ってらっしゃ〜い♪」
つまり、下に行って100数えてくること。
仕方がないから一階に下りてった。



・・・

「おっ・・・叢侍・・・。」
「うわぁっ!?」
一階に下りたら凄い顔の祥子おばさんが・・・
目の所が紫になってた・・・(涙)。

「今日、もう疲れたから帰るわ。」
「あ・・・じゃーね・・・。」

そしてかえってった・・・。
一体、何があったんだろう(汗)?



・・・・・・・・・・・・・・・

「きゅうじゅはち、きゅうじゅきゅ、ひゃ〜く。

 もうそろそろかな。」
100数えたし、もういいかな。
階段を上って、さっきの部屋に。
戸を開けるのと一緒に、ちょっと大きな声で言うんだ。


「ただ」「おかえりぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!!」
僕が言おうとした瞬間、凄い声で・・・

椛ちゃんじゃなくて、御姫ちゃんが僕に体当たりをしてき・・・た。

ちょっと痛い(涙)。



「おかえりっ!!
 お父さんっ!!」
「(御姫ちゃん、苦しいっ。)」
御姫ちゃんが僕の首にしがみつく。
椛ちゃんに助けてもらおうかと思ったけど
御姫ちゃんの変わり様に今度は椛ちゃんが『ぽやぁ〜』ってなってた。
「みきちゃ〜〜〜ん、はなしてぇ・・・・・・。」

・・・

何とか、御姫ちゃんが離してくれた。
死ぬかも知れなかった・・・(汗)。
椛ちゃんも思ってたと思うけど
御姫ちゃんがあんな力を出せるなんて・・・。
幼稚園だとスッゴクおとなしいのに。
僕は、この女に油断してたかも知れない。



「じゃ、さっきの続きねぇ。」
椛ちゃんがまた最初からやり直す。
「ただいま〜。」
「おかえりっ、あなたっ♪
 ごはん?おふろ?それとも「わたし」?」
「ごはん。」
「・・・(怒)。」
間髪入れずに言ったら椛ちゃんがちょっと怒る。

「じゃ、先にごはんにしよっか」「ごはんっ♪」
・・・
「・・・。」「・・・。」
今日の御姫ちゃんは
誰かがぬいぐるみに入ってるのかナァ・・・?



・・・三十分位した。

僕は思った。
「(御姫ちゃんは・・・おままごとがほんとーに好きなんだなぁ・・・。)」
さっきから僕のそばを離れようとしない。
「おとうさ〜ん、おとうさ〜ん・・・。」

だから、いつもどうりいかないから
椛ちゃんが・・・スッゴクイライラしてる。

ぐいっっっ。
「・・・(怒)。」
椛ちゃんが僕の左手をぎゅってつかむ。

すると今度は御姫ちゃんが僕の右手をつかむ。

今日はなんか痛いことばっかしだ(涙)。




「御姫ちゃん・・・そーじちゃん離してよっ!!」
ついに椛ちゃんの怒りがちょうてんにたっした!
多分これで御姫ちゃんが元に戻ると思った。



思ったんだけど。
「だめっ!
 お父さんはわたしのなのっ!!」
「(がーん。)」
まさか、御姫ちゃんが椛ちゃんに楯突くなんて・・・
「お父さんは絶対わたしのなのっ!!」

「ちがうよっ!
 そーじちゃんは死ぬまで私のモノなんだから!
 ねっ、そーじちゃん!!??」

・・・

「はい」って言わなかったら椛ちゃんに殴られるかも知れない(汗)。
でも、そしたら御姫ちゃんに叩かれるかも知れない(汗)。
今日の御姫ちゃんは、ほんとーに、変だから。

でもどっちかっていうと、ここは御姫ちゃんの方についたほうが
まだ安全かも知れない。たぶん。
椛ちゃんは何度か怒らせたことがあるけど
御姫ちゃんは、怒ると何が起こるかわかんないし・・・



「椛ちゃん、おままごとなんだからそんなおこんなくても・・・。」
「っ!!
 そーじちゃん御姫ちゃんの味方するのっ!?」
「だからそうじゃないよ〜(汗)。」
「・・・

 。」



あれ?
もみじちゃん?



「ばか。」
「?」
「ばかばかばかばかばかばかばかばかばか
 ばかばかばかばかばかばかばかばかばか
 ばかばかばかばかばかばかばかばかばか
 ばかばかばかばかばかばかばかばかばか
 ばかばかばかばかばかばかばかばかばかっ!!」

「そーじちゃんのばかぁぁぁっ!!!!!!」

「あんぽんたんっ!!」
「ぽんぽこりんっ!!」
「すぽぽんぽんっ!!」
「ぽんちきちぃっ!!」
「侃々諤々っ!!」

・・・



今日、一番最後に『ぽやぁ〜』ってなったのは僕だった。

ばかばかって・・・よんじゅうななかいも。

僕はなんにも言い訳できなかった。



椛ちゃんがどっか行っちゃったあとには
「えへへー♪」
猫ちゃんみたいになった御姫ちゃんと
僕だけが残った。



僕は何をしたらいいのか・・・考えられなくなった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



そーじちゃんがついに裏切った。
みきちゃんに裏切られた。
テレビのヒロインが仲間に裏切られたとき
泣いてた気持ちがすっごくわかった。

・・・

二人とも好きだったのに。

鼻水でてきてとまんない。



頭の中真っ白。
「ばかぁーーーーーーっ!!」
楽しく、遊ぶつもりだったのにぃ・・・。

・・・
桐ちゃんち行こ・・・。



「きーりーちゃん、あーそーぼっ!」
・・・
お留守だった。
そーじちゃんちもどろっかな・・・

いやっ!!
かえんないもんっ!!
ずっとここで桐ちゃん帰ってくるの待ってやるんだからっ!!

・・・
待ってよ・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



椛ちゃん・・・お家に帰ったのかな?
椛ちゃん・・・怒ってるかな?
心配だけど・・・

「っ♪」
さっきから御姫ちゃんが僕の手を離さない。

ん〜・・・・うー・・・。
御姫ちゃん寝てるみたいなんだけど・・・



大丈夫・・・だよね?
怒ってないよね?



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ばかばかばかばかばかっ!!
そーじちゃんも、みきちゃんも、きりちゃんも、みんなバカッ!!

・・・
誰でもいいから来てよぉ・・・

寂しいよ。



「ぅぅぅぅぅぅ・・・・・・。」

犬さんの声?

お隣さんちだ。




・・・・・・・・・・・・



心配。
気持ちが良くない。
うーん。
うーん。
あーーー・・・。

何をしたらいいんだろう、僕は?
きっと何かしなきゃいけないことがあるのに・・・



この前みたいに。
葵君が御姫ちゃんいじめてたとき
それをずっと見てたとき。
同じな気持ちがしてる。

僕は、何かしないといけないのに。

僕は・・・・・・・・・?

「(うん。)」

僕の気持ち。

だから。







・・・

ふぐぅ・・・

お家に帰りたいよお・・・

でも、悲しい。

悲しくて悲しくて



もーわかんないよぉっ!
「おかぁさん、おとーさん!」

・・・

「おかーさん・・・・・・おとーさん・・・・・・。」
いたいよぉ・・・
けがしたよぉ・・・

ひっぐ。



「あ、椛ちゃんっ!!」「?」
やっぱり桐ちゃんちにいた。
ちょっと怖かったけど自転車で来てよかった。

「ソージちゃん!」
「椛ちゃん、さっき」「犬に噛まれたよぉっ!!」



「桐ちゃんち行ったらいなくてね、
 でね、犬サンと遊ぼうって思ったらいきなり怒って
 足と手噛まれて、血が出てね、怖くてね

 すっごく、いたいよー・・・」
!!
椛ちゃんの足ケガしてるっ。
「えっ!!
 た、たいへんだよっ!!
 はやくばんそーこーはらないとっ!?」
早くお家に帰らないと。

・・・

「乗った?」
「・・・・・・ぅん。」
椛ちゃん元気ない。
椛ちゃんが泣いてるの見てると僕も悲しくなってくる。
とにかく、自転車でお家に帰ろう。



来た道を、戻って。

・・・
ここで、まっすぐ来たからそのまま・・・。

・・・
えっと、ここは・・・
右に曲がったから・・・・・・

えっと、おはしを持つ方が、右で、ご飯を持つ方が左だから・・・

こっちに曲がったらお菓子屋さん♪



・・・
あれ?
何か変な坂道・・・。
何か見たこと無いお店ばっかり・・。

「ねぇ、椛ちゃん。」
「ぐすっ・・・・・・なぁに。」
「お箸持つ方の手ってどっち?」
「・・・・・・こっち。」



・・・
あぁーーーーーーっ!!
左と右、まちがえた・・・。
いつもお箸左手でもってた・・・。

ど、どーしよ・・・
もう道わかんないよ・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「・・・・・・ひっく。」
叢侍ちゃんが、泣いてる。

「・・・どーしたの?」
「ごめん・・・椛ちゃん・・・。

 ぼく、もう道わかんなくなった・・・。
 おうちかえれないよー・・・。」
そんなぁ。

そしたら、もっともっと、たくさん悲しくなってきた。
あしのけががまた痛くなってきた。

「いたいよー・・・。」
「ひっく。・・・ひっく・・・。」











次の日。
日曜日。
今日も椛ちゃんと御姫ちゃんが遊びに来た。

椛ちゃんの足はちゃんとばんそーこーがはってあった。

「椛ちゃん、足大丈夫?」
「うん、ちょっとお風呂入ると痛いけど大丈夫♪」
・・・
「椛ちゃん、昨日ごめんね。」
そういえばちゃんと言ってなかったから。
「ちがうよー。
 昨日お母さんがね、私の方がわがままだ、って。
 だからちゃんと叢侍ちゃんと仲直りしなさいって言ってた。

 だから、「なかなおりのあくしゅ」しよっ!」
「うんっ。」

椛ちゃんが右手を出したから
えっと・・・

あんまり使わない方の手。
で、握手。



すっごく。
すっごく。
すぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーごくっ!
うれしかったっ♪







・・・
「あ、昨日ちゃんと遊べなかったから
 今日はみんなでビデオ見よっ。
 御姫ちゃん見たこと無いって言ってたし。」
えっ、あのビデオ(汗)?



『空が、絹糸を下ろしたみたいに。
 あんな風に流れていくのって
 ・・・たくさんの天使達が風を切ってるみたいだから

 「天使達の彷徨(ほうこう)」って、言うんですよ。』

魔法使いのアニメなんだけど・・・
戦ってるところがカッコイイんだけど・・・

御姫ちゃんワクワクして見てるけど
このビデオの最後・・・

「・・・?
 そーじちゃん、なにお布団だっこしてるの?」
「僕・・・もー見たくないよ・・・。
 何回も見たし・・・。」
「えー・・・、こっからが一番いいとこじゃない♪」
「・・・そぅ・・・なの、椛ちゃん?」
「そーそーっ、御姫ちゃん。」

御姫ちゃんもきっと見たくなくなると思う。



『・・・?
 ・・・・・・キさん?』
『あの・・・
 帰る途中、いろいろ思い出したんです。

 そしたら、・・・ちょっと・・・
 ・・・さんに言っておきたいことがあるんです。』
ああ・・・もうすぐだよ・・・(汗)。
やっぱりお布団で隠れようっ。

あ、ダメだよ椛ちゃんっ!!
お布団取らないでよ・・・

あと、無理矢理まぶた指で開けるのやめてよっ!!
ほんとーに痛いからっ!!
『あの・・・・・・さん・・・。

 あの・・・

 あなたに、出逢って・・・たくさんつらいことあったけど・・・

 でもっ・・・

 こんなにも、幸せに・・・ならなかった。から。』

ちゅっ

「うぅ〜・・・はずかしいよぉ〜。」
椛ちゃんは何が楽しくてそんなちゅーしてるところ見せるのー・・・
はずっ・・・うぅ・・・
耳が熱いよぉ・・・。
しかも長いよぉぉぉっ!!

「愛する二人の予習じゃない♪」
「もういやだよぉ〜・・・。」

御姫ちゃんはもう僕の離したお布団にくるまってる。

僕は思った。





正体不明のロボットが空から落ちてきて
家が壊れて
テレビもビデオも壊れること。

その後ちゃんとロボットに乗るから
ちゃんと悪い人達やっつけに行くから

かみさま、どーかっ、おねがいしますっ!







おまけ「Gazers」

・・・・・・・・・

っ。
よっこいしょっと。
二人とも泣き疲れて寝てるな。
「悟志、今日は大変だったね。」
「そーだな(笑)。
 みのり、後ろで叢侍ら頼むな。」「うん、わかった。」

まさか、叢侍がこんな冒険するとは。
いつまでも小さな子供だと思ってたら・・・

って、5歳児に言うセリフじゃねえな。
でも、やっぱし男だしな・・・
いつか俺の背越えんのかな。

ま、それはおいとおいて。
車を出しますか・・・。
「みのり、シートベルトさせたか?」「大丈夫。」
「じゃOKだな。」



「やっぱみのりスゲエな。
 母親の勘って言うか。」
みのりが最終的に叢侍達を見つけたからだ。
「やっぱ、「母は強し」ってやつかな(笑)。」

・・・叢侍もそうなるのか?
父親として、ちょっとそれは寂しいナァ〜・・・

「悟志だってそうだよ。

 あの時も・・・うんっ、あの時も。
 私よりずっと真剣に考えてくれてたよ。」
「・・・まあ、責任逃れするよーな人間でわないつもりだし・・・

 いつだって腹切る覚悟位してたぞ(笑)。」



「頑張ってね、お父さん♪」
「まだレベル1だけどな。
 みのりも頑張れよ。」
「うん。」



「俺・・・いい親になれっかな?」
「・・・・・・っ、ははははははっ!!」
「考えてから笑うなよー・・・、おい(汗)。」
「だって〜・・・

 ほら、初めて叢侍叱って叢侍泣いたとき
 「うわぁ〜っ!!
  俺はダメな虐待親父になっちまうんだぁ〜っ!!!!」
 って、お布団にくるまって叢侍と一緒に泣いてたの思い出してぇ・・・。」
「・・・覚えててほしくないことを事細かに覚えてるな・・・(汗)。」



「悟志ぜったいいいおとうさんになるよ。ぜったい。」
「さんきゅ。」



Back/Top/Next