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Leaf WHITE ALBUM short story



WHITE ALBUM


〜理奈の休日〜

by 天主華



俺はわくわくしていた。なぜなら今日は理奈ちゃんが『エコーズ』に来るからだ。
ここで紅茶を飲みながら本を読むのが理奈ちゃんの休日の過ごし方だ。

冬弥 「いらっしゃいませ。あ、理奈ちゃん」
理奈 「こんにちは。冬弥君」
    言って理奈ちゃんは笑顔で答える。
理奈 「ケーキセットを。飲み物は紅茶でね」
冬弥 「うん」
    注文したものを待ちながら理奈ちゃんは鞄から上品な革張りの
   ブックカバーをかぶった本を取り出し読み始めた。そして小声でなにやら
   呟いている。聴いたことのない言葉だ。
冬弥 「お待たせ」
    言いながら本の内容に目を向ける。何が書いてあるのかさっぱり判らない。
   この前、英二さんが由綺にロシア語を教えるとか言ってたし理奈ちゃんも
   勉強してるのかな?
冬弥 「ねえ、理奈ちゃん。それ何の本なの?」
    すると理奈ちゃんは急に立ち上がって
理奈 「知りたい?」
    と胸を反らしながら言った。そんなにすごい本なのだろうか?
冬弥 「う、うん」
理奈 「手に入れるのすっごく苦労したんだから」
    そういってまた胸を反らす。よほどすごい本なのだろう。
理奈 「これはね〜、古代・・・」
    理奈ちゃんが言いかけたとき
   バーン!
   勢いよくドアが開いた。
○○○「ほーっほっほっほ! こんな所にいたのね。ってどうしたの理奈。
   あるかないか判らない様な胸なんて反らして」
理奈 「何ですって〜!」
    大声を上げたかと思うと
理奈 「αγζθω・・・」
    今度は何やら呟き始めた。どうやらさっきの言葉と同じ様だ。
理奈 「ファイヤー・ボール!!」
    ちゅどーん!!
○○○「理、理奈ったらひどい・・・」
冬弥 「・・・」
理奈 「・・・」
冬弥 「・・・・・・」
理奈 「・・・・・・」
    しばし沈黙。が、しばらくすると理奈ちゃんは、悪戯っぽく笑って、
理奈 「あはははー。ゴメンね〜。ケーキセットのお代ここに置いとくから。
   ごちそうさま。それじゃあ」
    と、逃げるように(実際逃げているのだが)店から出てってしまった。

後には、何が起こったのか判らず呆然とする俺と、黒こげになっている怪しい格好を
した女性、そして半分以上吹っ飛んでしまった店が残されているだけであった。

                                  おしまい

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