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Original Novel Yuki Presents



歴史の果てに


第5章

もうひとつの過去



「さて、テレビでも見るか…。」
今日も一日頑張ったし、くつろぎモード、っと…
いろいろあったし、ゆっくりしよう…
今日一日でえらくつかれたよ…
プルルルルルルルルルルル
おっと、電話だ
「はい、もしもし?」
「あ、あの…梓零くん?」
「そうだけど…青葉?」
「うん。…ちょっと、いいかな?」
この寮には内線電話が引いてあって、寮内の誰とでも話すことができる
便利な設備…と思いきや、そうでもない
外には電話できないからな…
「ああ、暇だし…なに?」
「ええと…、あのね、この町のこと教えてほしいな、って思って…。」
そっか、引っ越してきたばっかりだったっけ
「ああ、いいよ。」
特に用事もないし
俺もこの町は長くはないし、何か再発見があるかも
って、それじゃ案内にならないか
「ほんと?」
「ああ、いいけど、あんまり詳しくはないぞ?」
「うん、全然おっけーだよ。」
最近あんまり遊びにいってないからな…
久しぶりに羽でも伸ばすか
「で、いつにする?」
うーん、と青葉がしばらく考えて
「じゃあ、明日の日曜日…は?」
「ん、別に予定ないし、いいよ。」
寮にいても寝てるだけだしな
「じゃあ、10時に寮の前でいいか?」
「うん、いいよ。」
「じゃあ、明日。」
「うん。じゃあね、おやすみ。」
なんか、すごく嬉しそうだった、…けど
なにか、悲しい気持ちがした
なんなんだか、一体…
「まあ、いいや。風呂でも行くか…。」

カチャ…
ふう、緊張した〜
久しぶりだな、梓零くんと遊びに行くの
楽しみだな♪
「デートか〜?雫はん〜?」
「わわ!渡辺さん!?びっくりした!」
いつの間に…
「まったく、電話番号聞いたかと思えば。」カシュッ
わわ、美堂さんまで!?それに、カシュッ、って?
「そ、そんなんじゃないよ〜。」
「まあ、わからんでもないで。五度目ゆうてもな。」
「それを言うなってば…。ゴクッ。」
え?ゴクッ?
「って、なに飲んでるんですか!?美堂さん!」
「ん、ビール、飲む?」
「が、学生寮なんですよ〜!?」
「硬いこといわない。ほら、あんたも飲んだ!」
それに、残念なことに年齢はとっくにすぎてるからね
まあ、天使にそんな概念はないけど…
「ちょ、ちょっと、やめてください〜!私、お酒だめなんです!って、そうじゃなくて!」
「チューハイのほうがよかった?」
「お酒はだめです!って言うか、報告は終わったんです〜!帰ってくださいよ〜!!」
ガシッ
「って、なにしてるんですか!?渡辺さん〜?」
「まあ、飲み。」
「いやです〜〜!」

チュンチュン…
ふ、わあ〜〜
「朝か…。」
さってと、青葉と待ち合わせもあるし、支度するか…
フィーーーン!!

おい!配置は完了…?
もうす…
時間が…いぞ…!

フィーーーン!!
突然の頭痛
一瞬で通りすぎるものの、何かもやがかかったように頭から離れない
気にはなるが…
「…なんだ、今の?」
変な場面が、浮かんできたな
まあ、いいや
「関係ないよな。準備、準備っと…。」

俺が寮の前についた時には、すでに青葉が待っていた
「あ、ごめん、待った?」
「ううん、今きたところだから。」
…定番だな
このパターンは、未来永劫変わらないだろう
なに言ってるんだか…
「んじゃ、行くか。」
「うん。」

それから、この町を案内した
ここは、篠莱(しのらい)町
片田舎の、小さな町
ただ、大きな駅もあり、都心へのアクセスもバッチリだ
それゆえ、結構大きな店もある
一日つぶすのも簡単だ
そうした店を中心に青葉を案内した
「えっと、この角の向こうが」
…あれ?
CDレンタル…だよな
「どうしたの?」
青葉が顔を覗きこんでくる
「いや、なんでもないよ。」
ちょっとした記憶違いだな
そう、思いたかった
でも、正直おかしい
なんなんだ、この違和感は
微妙に…ずれてる?
確かに今この場所はCDレンタルだった
でも、俺の中にはコインランドリーの場面が存在している
ここも、あそこも
違う!!
この記憶は…俺じゃない!
「わりい、ちょっと、混乱してる。」
「あ、私聞いてばっかりだもんね、ごめんね。」
…梓零くん、すごく不安定になってる
アストの反応が…
どうしよう…まさか、覚醒!?
美堂さんに知らせてる暇もないし…
「そうだ、さっきのお店で休もうよ。ね?」
「そうだな、歩きっぱなしだしな…。」
ちょっと、頭の中整理しよう…
なにが、なんなんだか分からなくなってきたぞ…
そして俺達が寄った店
ここは「cat's&dog's」
名前の通り、店内には猫と犬の置物がたくさん置いてある
結構有名で、パフェがうまい
わざわざ電車で食べに来る人もいる
「素敵なお店だねー。」
「ああ、この辺で一番有名な店なんだ。」
「そっかー。」
ものめずらしそうに、辺りを見まわす青葉
天使…か
有史以来2000年目、人類が到達した天界…
当時はすごい騒ぎだったらしい
ま、俺達が生まれる500年も前のことだから、よくは知らないけど
そんな、ちっぽけな歴史を、遥か昔からずっと見てきた天使、か
青葉も、その一人なんだよな…
全然そんな風に見えない
一人の、かわいい女の子としか…
「ご注文はお決まりですか?」
その時オーダーが届く
はっ、っと我にかえる
なに考えてるんだか、俺は
「えっと、ホット一つ。」
「えっと…。」
青葉はまだ悩んでるみたいだった
「なんでもいいよ、俺のおごり。」
「え、悪いよ〜。」
「いいって、好きなもの食べていいよ。」
それでも、「う〜、う〜」と必死に悩む青葉
…やっぱり、かわいい、かも
「じゃあ、このフルーティパフェください。」
「はい、かしこまりました。」
注文を繰り返してウエイトレスが厨房に入っていく
「あ、この子かわいい〜。」
そう言って横の子猫の置物を見る
その時

フィーーーン…
発……まし…
…し…備を怠…な

まただ、この頭痛…
なにを、見せたいのか、はっきりしろ!
「お待たせしました。」
オーダーが届く
その声にまた我にかえる…
なんか、今日おかしいぞ、俺
まあ、気にしないでおこう
折角の、楽しい時間なんだし
「おいしそ〜。いただきまーす♪」
おいしそうにパフェを食べる青葉
幸せな時間が、ずっと続けばいいのに
このまま、時が止まればいいのに
しかし、それは叶わない
ずっと昔から、俺とアスラシャムの幸せは、叶わない…
「!?」
突然に察知する気配
あの時の、教室で感じたものだ
そう、殺気だ…!
でも、昨日とは違って、ざらっとした感じが…
それに、なにかが心の中で…うずいている…
「ねえ、梓零くん。どうしたの?」
「まただ。」
「え?」
「また、あいつみたいな、感じがする…!」
「え…!?」
二人で辺りを見まわす
それらしい気配はない…よね?
また、私より早く感知するなんて…
人間がかけた封印が、とけかけてるの…?
「これは、天使の気配じゃない!人間だ…。」
昨日襲ってきたやつは、なんていうか…滑らかな殺気だった
今のは…こう、ただの殺気ではなく、いろんな感情が混ざっている
純粋な殺気じゃない…
その刹那
ダダダダダダダ!!
銃声が店内、商店街に響き渡る
「きゃあーーー!!」
「うわあ!な、なんだ!!」
あちこちから悲鳴が聞こえる
そして、次々に人が倒れていく
「青葉!大丈夫か!?」
「私は大丈夫!それよりも、回りの人を…!」
ふぅーーん
その時、奇妙な感じが辺りを包む
この感じは、"空間"とかいうやつか?
でも、青葉が…?手際がよすぎるような…
「間に合ったな。」
「美堂さん!渡辺さん!」
どこからともなく、二人が出てくる
手際が、よすぎる…
怪しい
「間におうてへんで、何人かやられてもうとる。」
「待て待て!二人とも、なんでここに!?」
「そんなことより、来るよ!」
そうだ、そんなことより、敵を確かめないと
「今だ!囲め!」
しかし、その隙をついてあちこちの窓、ドアから進入してくる
それらが、手に銃を持ち俺達を囲む
人間?なぜ…?
「そこまでだ、天使諸君。」
「な!?空間の中で、人間が動けるなんて…?」
美堂が信じられないといった顔で相手を見る
確かに、昨日もクラスのみんなはと止まってたし…なんでだ?
「君達が創りだす空間とは、ap反応を感知して、行動を止めるものだ。」
…ap反応?
「これを、人工的に作りだすことは、可能なんだよ。」
そう言って、そいつはなにやら子型の機械を取りだす
「おっさん、なに言ってるんだ!?」
そんな機械、聞いたこともない
ましてや、地上と天界は一切関わりを持っていけないはずじゃ…
そんなもの作る必要があるのか?
「当然だ。我々は君達とは生きた時間が違うからな。」
…違う、時間
どこかで、見た…あの景色
そこには悲しい記憶が
一つ、いや、無数に、ぽつんとたたずんでいる
俺に、必要のない記憶だ
だから、閉じてしまうのか…
そんなことより、今は目の前に敵に集中しなければ
「そうだな、私達は今から20回ほど前の歴史上の人間となるのかな?」
「まさか、あんた達が…。生きてたなんてね…!」
あのとき、ディベリウスに消されたと思ったけど…
やっぱり、とどめを刺しておけばよかったわ…!
「知ってるのか!?美堂!」
「こいつらのせいで、私達は…!」
そういうと美堂が男に飛びかかった!
目で追うことのできないスピード
しかし
「芸が無いね、君も…。」
バチバチバチバチバチ!!!
「うあああああ!!!」
男の目の前で何かにぶつかったかのように急に空中で静止する美堂
「美堂!」
「あかん!aru,irusn!」
渡辺が何かを唱えると、その場に光が収縮する
それが、一気に解き放たれる!
シュイーーーン!!!
それはその男に向って突き進む、が
直前で四散する
しかし、それが目くらましの効果に変わる
「今のうちに、美堂はんを!!」
「うん、わかった!」
それに答えて青葉が消える
「待て、青葉!ちゃんとあれがなんなのか確かめてからでないと!」
しかし、俺の忠告が聞き届けられるまもなく、青葉もなにかにぶつかる
「きゃああ!!!」
「無駄だ、私には、近寄ることはできんよ。」
そう言うと青葉も地面に倒れる
「そんな、天使の魔法がきかんやて…!?」
しかも、あのバリアみたいなんも、自由に範囲を選択できるんか…?
あれを…人間が作りだすなんて、おかしいで…
やっぱり、キュスティ…あんたが…?
「君達のことはこの何十億年と研究させてもらっている、この程度の禁呪では、このバリアはやぶれんよ。」
俺達を囲んでいたやつらが銃をかまえる
たぶん、あの銃にもなにかあるんだろうな
天使を殺せる道具とか…
それより、なんで俺達が狙われるんだ?
その、ディベリウスとかいうやつが、俺達を狙ってるのは知ってる
その刺客かなにかと思ったが…
神がわざわざ人間を使うとは思えない
それに、こいつらは独自の考えで動いている
なんとなく、そう感じた
「この二人が大事だろう?その翼をしまいたまえ。」
そう言うとそいつは青葉と美堂に銃をつきつける
「しゃあない…。ごめんな、緋禮はん。」
翼をしまう渡辺
俺は、またなにもできないのか…?
あのときのように、アスラシャムの苦痛を見ることしかできないのか?
恐怖?
怖いのか…?
なにが、怖いんだ
あのとき、とはいつのことなんだ
別に気にはしない
俺の、記憶じゃないんだから…
「安心したまえ、私が用があるのはUD−01だけだ。」
「UD−01…?」
ドクン!
その言葉に反応して、鼓動が大きく、早くなる
記憶の中に閉ざしていた、なにかが反応する
なぜ?今はじめて聞いた言葉に…なぜ反応する!?
ドクン!
"君のその力は、天からの贈り物なんだよ!"
ドクン!
"君らは私のシナリオどおりの歴史を繰り返し続けるのだから!"
ドクン!
"君達は、永遠に私のおもちゃなのだよ!"
この記憶はなんだ!
俺はこんなの…知らない!知らない!知らない!
「うう、ぐ、ああああ!!!!」
イタイ
痛い
イタイ
ここに、いたい
存在したい
俺と、俺の中の何かが頭の中で交錯する
痛くないのに、イタイ
そこにあるモノが、見えない
ここは、オレの記憶があってはならない場所
ここは、俺の記憶の存在のみが許される場所
でも、俺は、思いださなければならない気がした
そう、今度こそ、この歴史を、人類を救うために
「ち、覚醒か!?おい!器を!!」
そう言うとやつはガラス玉のようなものを俺に向かって投げた
シュパーーーー!!
この光は、オレを封じこめたものだ
憎しみの光であると同時にオレがした事も、思い浮かぼうとする
それを無意識のうちに閉じこめる
もう、あんな悲しい思い出は、捨ててしまったから
ドクン!
"永久に愛する者に殺される、という苦痛を味あわせてやるんだな。"
ドクン!!!
…………


「ふふふ、ついに…やったぞ!!」
捕らえた天使四人を眺めながら
まさか、四つも手に入るとはな
ディベリウスめ…あのときの恨み、今晴らしてやるぞ…
世界の、私の家族の恨みをな
「おい、マインドコントロールの状況は?」
「は!ただいま作業が完了しました!」
そうか、終わったか…
長かった、じつに、長い時を通り越してきた…
いや、まだ干渉に浸るのはまだ早い
さあ、我が最強の人形よ!その力を…見せてくれ!
カチッ
「はっ!」
突然意識が戻る
俺は…一体?
くそ…頭が…割れるように…痛い…
みんなは…、青葉は、無事か…?
「さあ、我が人形よ!我と共にこの世界を滅ぼそうではないか!」
あのおっさんはなにかぶつぶつと言ってるし…
「なに、勝手なことを言ってんだよ…!」
俺は、狂いそうなほどの頭痛を、無視するかのように話す
そうでもしなければ…ほんとに気が狂いそうだ
「そんな…ばかな!!」
…まただ!
失敗だと!?なぜだ!
また…何千年も、待たねばならんのか!?
困惑の色を隠せない
「なんだか知らないが、予定が狂ったようだけど…?」
でも、この頭痛を、なんとかしないと…
満足に動くことはおろか、話すこともままならない…
「封心作業は終わっているはず!どういうことだ!」
と、その時また新しい気配を感知した
これも…覚えがある…
「椎田長官!なにか問題があるようですねえ!」
そこに立つのは白衣の男
ドクン!
"こいつは中途半端に体に残っているだけです"
ドクン!
"つまり、殺してしまえば意思も消えますよ"
またか…!俺は、こんな記憶、知らないぞ!!!
やめろ!帰れ!出てくるな!俺を…今の俺をそっとしておいてくれ!!
「刻露!?貴様、生きていたのか!?」
「残念ながら、あなたの思惑どうりには事は運びませんよ。」
ふふふ、まだ気がついていないようですねえ…
「貴様…何をした!」
「別に…何も。しいて言えば。私は、我々は、ここに生きていてはいけないということですね。」
そう、神も、この天使達も、私達のような、時代の亡骸もね…
「なにをばかなことを!もう少しで、こいつらは私のものになるところなのだぞ!」
そんなことをして、なにをしようというのですか?椎田さん…?
なにをしても、歴史にはかなわないのですよ。
ましてや神に逆らうなど…
だから、利用できるものは利用しないとね
あなたも、少し頭を使わないと…
「さあ、もういいでしょう。こいつらを殺しなさい。」
そう俺に向って言う
「何を!?刻露…貴様、裏切ったか!」
仲間割れか…!?
けど、俺にこいつを殺せと?
いくらなんでも…そんなことできるわけが…
が、意思に反して、勝手に体が動く
そして、椎田と呼ばれた男を掴む
「や、やめろ!お前は、私の人形なのだぞ!!」
俺だって、やりたくねえよ…!
でも、体が言うことを聞かない
頼む…やめてくれ!
「さようなら、椎田長官。あなたには感謝していますよ…。」
「刻露…お前というやつは…!」
俺の手が、椎田の体を貫く
悲しみ…?後悔?
なんだ、この感情は…?
"まさか、こうなるとは…"
"私の復讐も終わりか…"
"沙樹、琴菜…すまんな"
"あの時、なぜ私だけ助かってしまったのだ…"
"一緒に死ねたら…こんなばかな真似はしなかったのにな…"
頭の中に、直接映像が流れ込んでくる
これは、このおっさんの…記憶なのか?
俺の手を伝って記憶の全てが流れてくる
だとしたら、これが真実だとしたら
こいつらと、オレが戦ってきた意味が、無意味なものになる
考えのズレ
これが生んでしまった悲しい歴史…


「下等生物の分際で、私に逆らう気か!!」
神の手に、力が収縮する
こ、この力は…!
これが、神なのか
力が…違いすぎる!!
これほどまでに、差があるのか…
結局、神を侮った我々が、敗因というわけなのだな
すまん、沙樹、琴菜
お父さんは、もう帰れないみたいだ…
神が力を放った
辺りが光に包まれる
そのまま意識を失う…
しかし、私は死んでいなかった
「…助かったのか?」
しかし、なぜだ…
「その上、丁寧に、地上に送り届けてくれるとはな…。」
辺りを見まわす
その光景は、まさに地獄であった
建物は破壊され、冥界のモンスターが多数出没していた
あちこちから、悲鳴が聞こえる
「悲鳴!?」
…まだ、人類は死んでいないのか?
ならば、沙樹も、琴菜も、生きているに違いない!
急いで家に向う
「沙樹!琴菜!!」
家に戻ると二階から、複数の声が聞こえる
気づかれないように、慎重に階段を昇ると
そこでは、数人の天使が二人を囲んでいた
「も、もうやめてえ…。」
「恨むのなら、おまえの親父を恨むんだな。」
「そうそう、ディベリウス様に逆らうとどうなるか、たっぷりと教えてやるよ。」
はぎとられ、散乱する衣類
「しっかし、久々の出動が、こんなおいしいもんとはな。」
「ほんとだぜ…おい、ねーちゃん、寝るのはまだ早いぜ。」
そう言っては琴菜の顔を殴る
「い、いたいよぉ…お父さん…助けて…。」
神よ
これを見せるためだけに、私を生かしたのか?
我々に非があるのは認めよう
だが、この仕打ちは…なんだ?
やりたいなら、私を直接殺せばいい
これが、神のすることなのか!?
今の私を見てあざ笑う神の姿が目に浮かぶ
そんな神など…私は認めんぞ!!
そして、部屋に突入する
ダダダダダダ!!!
天使に向け破邪弾を連射する
「うわああ!!」
「ぎゃあ!!!」
その場にいた天使五人が床に倒れる
「琴菜!!」
琴菜に駆けより、抱き起こす
「大丈夫か!琴菜!!」
ひどい傷だ…
体に付着した、床に垂れた血が物語る
「お、お父さん…。」
「しゃべらなくていい。今すぐ医者に連れて行ってやるから…」
…しかし、琴菜は続ける
「お父さんは、悪い人じゃないよね…?」
体に激痛が走ったような気がした
正直に話すべきか…?
それとも、死に際ぐらい、幸せなまま…
「お父さんのせいで、こんな風になったって…。違うよね?」
いや、私は、逃げない…
全ての罪を償う意味でも…
「すまん、琴菜…。」
これは、私が引き起こした事なんだ…
そう、琴菜に伝えた
私を、恨んでくれ
私が悪いと言ってくれ
そうすれば、私一人が罪を背負って死んでいける
お前は、何も悪くないんだから
それなのに
「お父さんも、お仕事だから、しかたがなかったんだよね…。」
琴菜は笑顔で、そう答えた
この笑顔が見れなくなると思うと…
私は、なんという愚かなことをしたのだろうか…
何も知らなければ、幸せに生きていけたのに
「ありがとう、お父さん。私、嬉しかったよ…」
それっきり、もう笑顔を見せてくれることはなかった
私は二人を埋葬し、基地の地化シェルターに向った
そこは、まだ機能しており、設備にも支障はなかった
…私にできること
それは、歴史を変えて二人を生き返らせることだ
そのためになら、私は悪魔になれる…!
そして、いつの日か必ず敵をとってやる…



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